フリーライターの渡辺ありさが様々な界隈をウオッチする当連載。今回は「ジェンダーレスホスト界隈」をお届けします。昨年6月の風営法改正により、ホストクラブでは恋愛感情を利用した接客、通称・色恋営業が禁止に。そんな中、色恋ではなく、女友達のような感覚で気軽に会える「ジェンダーレスホスト」が人気を集めています。ジェンダーレスホストとは一体何者なのか? 名古屋のホストクラブ「youth(ユース)」で“男装の麗人”として働く、一葉漣(いちは・れん)さんに話を聞きました。
――ジェンダーレスホストとは何か
一葉 男装をした女性のホストが、お姫(女性客)を接客します。僕は性転換手術やホルモン注射などはしておらず、性自認も女性ですが、恋愛対象は女性です。いわゆるレズビアンですね。
――同僚は全員男性?
一葉 一緒に働いているホストはみんな普通の男性なので、僕だけトイレで着替えています。
――なぜホストに
一葉 もともと、女性が男装をして接客する「男装カフェ」で働いていたのですが、そこは趣味で男装をされている方が大半でした。でも僕は本当に女の子が好きだから、結構ラクに1位を取れちゃったんですよね。一度、本物の男性社会の中で戦ってみたいという気持ちが湧いてきて、ホストデビューを決意しました。
――ホストクラブに行って女性が出てきたら驚き
一葉 写真指名で呼んでもらって「女の子なの!?」とびっくりされることはあります(笑い)。ただ、ホストクラブに来るお客さんは、当然ですがほとんどが男性ホストとの出会いを求めています。だから、初回接客で指名を勝ち取るよりも、自分を目当てに来店してくれる人を増やすことに注力しています。僕はSNSを頑張っていて、TikTokでは10万人以上のフォロワーさんがいるので、今は新規のお客さんでも僕のことを知ってくれている人が多いです。
――ジェンダーレスホストの苦労は
一葉 店の男性ホストを狙っているとか、変な噂をされることはあります。以前、「一葉漣は、本当は男も女も好きで、同僚のホストとお客さんの女の子をホテルに連れ込んでいる」という、根も葉もないウソを流されたこともあって。
――それはひどい
一葉 むしろ、僕は女性だから、お姫に怖い思いは絶対にさせません。ホストって、時には力ずくで女性を支配するようなイメージもあるじゃないですか。でも、僕らジェンダーレスホストはそういうことができない。何でも話せる親友みたいな感じで、お姫には安心して応援してもらいたいです。
――お客さんを好きになることはある?
一葉 僕は自分のことを好きでいてくれる子が好きなので、お姫じゃないと好きになれないかも。今までの恋愛では、女の子に浮気をされて振られることが多かったので。最近、ホストが一般の女の子と恋愛をするユーチューブのリアリティー番組「ホス恋」に出させてもらったのですが、そこでも結局うまくいかず(笑い)。
――残念ですね
一葉 でも、いい経験になりました。ホス恋を見た人がお店に来てくれたこともありましたし、10代の頃から憧れていた、芸能活動みたいなことができたのもうれしかったです。実は僕、昔SKE48のオーディションを受けて最終審査まで残ったことがあるんです。最終で落とされて諦めちゃいましたが。
――すごい!
一葉 昔は髪を伸ばして、フェミニンな格好をしていた時期もあったんですよ。ママのいるクラブで、女性キャストとして働いた経験もあります。
――今のお店に男性が行くのはダメ?
一葉 うちは男性客の来店もOKです。僕はおじさんと楽しく話せるタイプだと思います(笑い)。ただし、レズビアンなので「いける」と思われるのは困りますが。
――お姫にひと言
一葉 僕はお姫と結婚することができません。それでもついてきてくれるのは、すごく愛を感じます。自分の楽しめる範囲で構わないので、僕を応援したいと少しでも思ってくれる人がいたら、ぜひ会いに来てもらいたいです。
☆いちは・れん ユース名古屋本店に勤めるジェンダーレスホスト。SNS総フォロワー数は12万人超え。恋愛リアリティー番組「ホス恋」出演で話題に。インスタグラムは【@ren_ichiha】。















