9日に始まったフジテレビ系ドラマ「小さい頃は、神様がいて」(木曜午後10時)は、北村有起哉演じる主人公「小倉渉」より、仲間由紀恵による妻「小倉あん」がストーリーを展開させそうなことをうかがわせた。
集合住宅「たそがれステイツ」に住む入居者の物語。初回は台風の夜、浸水を避けるため1階の老夫婦(草刈正雄、阿川佐和子)と2階の女性カップル(小野花梨、石井杏奈)が3階の小倉家で過ごした。渉が呼んだのだった。
物語は冒頭から不穏さがちりばめられていた。タイトルに関連した荒井由実「やさしさに包まれたなら」が流れ、結婚初期までの小倉夫妻の人生をダイジェスト映像で回顧。甘酸っぱい〝青春の1ページ〟の中にもトゲが。あんは妊娠退職する日、机上のポストイットをゴミ箱に捨てた。入社当時の映像にはポストイットをデスクに掲げた時の輝く瞳があり、〝ゴミ箱行き〟はキャリアが終わる無念さを漂わせた。
そして暗転、あんが育児ノイローゼと化した様子が映しだされる。この場面はラストで再び流れた。あんは、渉が相談なしに住人たちを招いたことに「キレかかりましたが、お会いできてうれしい」と告白。だが、「よかった」と笑う渉をニラみつけた。
「小倉あん」はタイ焼きの中身としてもドラマに登場。シャレのような名前に「不本意です」とあんがキッパリ訴えると、渉は「不本意って言われても…」。リアル社会の選択的夫婦別姓議論も浮かび上がらせた。
極め付きは終盤、あんが有効だとした謎の〝離婚約束〟。スマホの画面には恐るべき数字が刻まれていた――。
渉が気づきもしなかった夫婦間のミゾが突如、可視化された。それを象徴するように、序盤から台風迫る空模様と強風を生々しく描く。階段から滝のように雨水が下る場面も。渉らは暴風雨下、玄関前に水嚢を積む。近くには川が…。
台風、河川の氾濫、結婚生活が長い夫婦の危機…。故山田太一氏による名作ドラマ「岸辺のアルバム」(1977年)を想起させる舞台装置。物語を動かす軸となりそうなあんの〝決壊〟はあるのかが、焦点となりそうだ。












