◇平田忠則(48)福岡支部80期

 2025年前期適用勝率で6年ぶりに7点台となる7・12をマークすると2025年後期も7・30。2026年前期(来年1月~)の級別に反映される5月以降の勝率も21日現在で7・14だ。今年はここまで11優出2V。7年ぶりとなる10月の津SGダービーの出場も決めた。一時はA1勝負駆け水準まで追い込まれたこともあったが、不死鳥のように復活を遂げた。

「中辻(崇人)さんのおかげです。(低迷していた)あの6年間はすべてがマンネリだった。仕事していてつまらないし、辞めようかと思ったこともありました。そんな時に〝このペラ合うと思うんだけど〟とアドバイスしてくれたんです」

 同じ福岡支部で一期先輩の中辻崇人は昨年の最多勝レーサー。近年は伸び型のペラを自在に操り、エンジン出しでは他の追随を許していない。

「もう2年になります。1年目はなかなか合わなくて、どうやったら中辻さんみたいに伸びるんだろう、と…。しかも伸び型を試していた影響もあって差しコースで勝てなくなっていた。手応えを感じ出したのは今年になってから。中辻さん仕様だけじゃなく以前の自分のペラにしたり、さらにアレンジを加えたり。調整の幅が広がって、差しコースでもまた結果が出るようになってきた」

 新しいペラへの挑戦によってもたらされた果実はエンジン出しにとどまらない。失いかけていた自信を取り戻すきっかけにもなった。

「まだ自分の技術は衰えていないな、と思いました。エンジンを出せなくてもごまかして着を取れているわけですから。それに今年はスタートも早くなっています。もっと成長できるし、もっとうまくなれる。だから今は仕事が楽しくてしょうがない。レース前もワクワクしてますよ(笑い)」

 2か月後に迫った久々の大舞台。もちろん準備は怠っていない。

「チルト3度を使える場が増えたので積極的に試しています。自分はまだSGを取っていない。もちろん厳しいことは承知だけど、エンジンを出せれば、という思いもあるんです。そのためにも調整の引き出しをさらに増やしていきたい。夏場は伸びがつけづらくなるけど、中辻さんはそれでも伸びる。体形や乗り方が違うので同じことをしてもダメ。自分にとっての正解を見つけたい」

 守りに入るのではなくリスクを取って新しいチャレンジをする。至高の舞台で結果を残すためにベテランがひそかに牙を研いでいる。