実は目も日焼け対策をしないと病気につながりかねないという。いったい紫外線は目にどんな影響を与えるのか、眼科医の杉本由佳先生に教えてもらおう。

 ――目の紫外線対策がなぜ必要なのですか

 杉本医師(以下、杉本)目に紫外線を浴びると、活性酸素という物質が発生し、角膜にダメージを与えるからです。また、一部の紫外線は網膜にまで達し、ダメージを蓄積していきます。ちなみに、数時間集中的にダメージを浴び、当日~数日間症状が出る急性疾患と、長期間にわたり紫外線にさらされた結果、将来の病気につながる慢性疾患に分けられます。

 ――急性疾患とは具体的にどういうケースがありますか

 杉本 代表疾患は雪眼炎です。スキーでの雪の反射、サーフィンでの水の反射など、強い紫外線を長時間浴び、角膜に無数の傷が発生している状態です。

 ――日常的な生活の中でも、紫外線を強く浴びたら症状が出ますか

 杉本 もちろんです。スキーやサーフィンに限らず、紫外線を強く浴びるシチュエーションはたくさんあります。そのときの状況や症状に応じて、診断名は変わりますが、紫外線により角膜にダメージを受けていることに変わりはないです。

 ――どのような症状が出がちですか

 杉本 涙が大量に出る、充血する、目が痛む、視界がかすむなどです。これらの症状が強く出てきたら、早めに眼科を受診してください。例えば角膜の表面が傷だらけになると、白くかすんだ状態が悪化し、目の前が見えなくなるなんてこともあり得ます。

 ――治療をすれば治るのでしょうか

 杉本 はい。角膜は再生力のある組織なので、適切な治療を受ければ3~4日で回復するケースが多いです。ただ、ドライアイの方や高齢者の方、コンタクトレンズを長時間使用していて既に角膜にダメージがある方は治りが遅いこともあります。

 ――ドライアイの人はなぜ治りが悪いのですか

 杉本 涙は紫外線から目を守るバリアとして機能しているので、涙が少ないとダメージを受けやすくなるからです。

 ――紫外線ダメージの蓄積によって発症につながる慢性的な疾患とは

 杉本 代表的な疾患が白内障です。白内障は加齢とともにほぼ全員がなりますが、通常より早く発症します。ほか、鼻側の結膜から角膜に向かって、三角形の形をした結合組織が入り込む翼状片という症状や、瞼裂斑(けんれつはん)という目の結膜部分に隆起ができる症状が出る人も。あとは、視力に重大な影響を与える黄斑変性症の発症リスクも高まります。

 ☆すぎもと・ゆか 医療法人社団映光会理事長、中目黒眼科院長。眼科専門医。埼玉医科大学卒業後、埼玉医科大学付属病院などを経て現職。年末年始以外年中無休でクリニックを営業し、地域のためにホームドクターとして力を尽くしている。