ボートレース徳山のSG「第30回オーシャンカップ」の優勝戦が27日に行われる。焦点は悲願のSG初制覇に王手をかけた1号艇の西山貴浩(38=福岡)だ。レバーとマイクの両方を握ってボートレース界を盛り上げてきた男がいよいよ最高峰グレードのタイトルを手にするのか――。ボートレースファン歴47年の元天才ジョッキー・田原成貴氏(66)は力強く、そしてアツい思いを込めて、西山初Vに太鼓判を押した。

【田原成貴氏が熱く語る】私の周囲にいるボートレースファンの間で、評価が二分される男がいる。悲願のSG初制覇に王手を懸けた西山貴浩選手だ。

 ご存じの通り、西山選手といえばお笑い芸人顔負けの話術を持つ。ビッグレースで行われる選手紹介のパフォーマンスはおなじみで、老若男女のファンを盛り上げている一方で「レースにパフォーマンスは不要」「もっと腕を磨け」と厳しい目を向ける人もいる。この手のタイプの選手の宿命だろう。だが、私なりの結論は出ている。このまま自分を貫けばいい、である。

 確かに私も西山選手の過度なパフォーマンスに眉をひそめていた時期もあった。しかし、よくよく考えると、それこそが彼の集中力の源なのではないか、と思うようになった。ジョッキーの世界でも、集中の仕方にはさまざまなタイプがある。黙々と準備し、調整ルームでじっと目をつぶって精神統一する者もいれば、逆にペラペラとおしゃべりしてテンションを上げる者もいる。西山はまぎれもなく後者。はしゃぐことでモチベーションを上げ、プレッシャーをはねのけているのだ。

 今大会はエンジン出し、スタート、旋回テクニックと全て文句のつけようがない。高評判のエンジン素性だったとはいえ、SGの舞台できっちり機力を引き出すのはさすがだ。スタートも見えている。もともとインに入った時の信頼感はトップレベル。準優もコンマ08のスタートを決めて見事な逃げ切りを見せた。

 思えばボートレース徳山はGⅠ初V(2020年)の縁起いい水面。エンターテイナーがようやくSGを取る時が来た。西山選手よ、ここで男になるんだ。そして悲願を達成した彼は、優勝インタビューでどんなことを言うのか。このワクワク感がたまらない。