ヘビーメタルを発明したといわれる英ロックバンド「ブラック・サバス」のフロントマン、オジー・オズボーンさん(享年76=本名ジョン・マイケル・オズボーン)が長年にわたるパーキンソン病との闘いの末、22日に亡くなったニュースは世界中をかけまわった。特に英メディアはこの話題一色。バンドでもソロでも、そしてリアリティー番組「ジ・オズボーンズ」でも、その並外れた個性で知られ、数々の伝説的エピソードもある。

「プリンス・オブ・ダークネス」「マッドマン」と呼ばれてきたオズボーンさんは数十年にわたり、血中濃度が〝致死的レベル〟に達するほどのアルコールと薬物中毒に苦しんできた。常に健康問題を抱え、毎日15回血圧を測る必要があったほどだ。

 そして、自身が「自分の役割は〝狂人〟であることだった」と話しているように、奇行を繰り返してきた。

 最も有名なエピソードは、ソロになった後の1982年、米アイオワ州デモインでライブ中、観客席からステージ上にコウモリが投げ上げられ、その頭をかみちぎったことだ。コウモリが本物かゴム製か、「オジーのせいで死んだのか」など、しばらくの間、謎のままだった。

 オズボーンさんは生きていたと信じていたようだ。自伝「アイ・アム・オジー」(2010年)の中で、「誰かがコウモリを投げたんだ。ゴム製だと思って拾い上げて口に入れた。かんでしまった。しかし、すぐに何かがおかしいと感じた。とてもおかしい。まず、口の中に温かくてドロドロした液体が一気に溢れた。それから、口の中の頭がピクピクと動いた。ああ、これは本物だ。本物の生きたコウモリだった」と記している。

 しかし、デモインの地元紙デモイン・レジスターの2005年の記事によると確実に死んでいたという。コウモリを投げ入れたのは、当時17歳のマーク・ニールさんだった。ライブの2週間前、ニールさんの弟が生きたコウモリを持ち帰ってきたが、すぐに死んでしまった。

 オズボーンさんのライブでは動物の生肉や内臓を観客に投げつけるパフォーマンスが行われていた。そのため、ニールさんはライブに向けて保管し、「腐敗臭が漂っていた」コウモリの死骸をビニール袋に入れてライブに持ち込み、投げ込んだという。

 コウモリは狂犬病を媒介するため、オズボーンさんは残りのツアー期間中、毎晩の狂犬病予防接種に耐えなければならなかった。

 同じ82年には、〝アラモ事件〟も起こした。将来の妻シャロンさんのドレスを着てテキサス州のアラモ慰霊碑に放尿したため、テキサス州でのライブを禁止されたのだ。

〝アリ事件〟も有名だ。1980年代にモトリー・クルーとツアーをしていた時、オズボーンさんはまるでコカインを吸うかのようにストローでアリの列を吸い込み、モトリーのメンバーを驚かせたという。

 もともとソウルミュージックを愛していたオズボーンさん。ブラック・サバス以降もソロアーティストとして活躍。世界で1億枚以上のレコードを売り上げた。