女優の玉田志織(23)が演者として存在感を示している。6月29日に放送されたNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」では、今話題の女郎役を務めた。先輩からのアドバイスを自分のものにし、着実に成長中だ。そんな新進女優が今回の大河ドラマの舞台裏や独特の台本の覚え方、そして週に2~3回は通っているという“家系ラーメン愛”まで語った――。

「べらぼう」は江戸時代を舞台に、才能ある浮世絵師や作家を世に送り出した当時のメディア王・蔦屋重三郎(横浜流星)の波瀾万丈な生涯を描く。玉田は今回、田沼意知(おきとも=宮沢氷魚)を誘惑する女郎・わかなみを演じた。

 大河ドラマへの出演が、デビューしてからの夢だったという玉田は「オファーが来た時はびっくりしたし、うれしかったです。大の大河好きの父は『絶対逃さず見る。再放送まで録画しとく!』と喜んでくれました」と振り返った。

 撮影は3月に行われた。小芝風花、安達祐実、福原遥…今作で女郎は話題になっている。玉田はわかなみを“気が強い女”だとイメージして「目の使い方と肩の角度にこだわった」と言う。それでも「女郎特有の所作や、花魁言葉での言い合いが難しかった」。

インタビュー取材に応じる玉田
インタビュー取材に応じる玉田

 注目されたのは、意知に色目を使ったわかなみに客を取られまいと、激怒したライバル女郎の誰袖(たがそで=福原)が2階から飛び降りてきて大ゲンカする場面だ。ネット上では「大江戸キャットファイトだ」と話題になった。福原とは2024年のドラマ「マル秘の密子さん」(日本テレビ系)以来、共演は2度目。

「前回も対立する関係だったので『私たちケンカすること多いね。でも、このアクションシーンで戦友になった』と話しました。良い意味でも悪い意味でも視聴者に、“アクセント”を届けられていたらうれしい」

 初の大河を終えてみて「緊張感は2倍でしたがとても濃い時間だった。役柄的にも自分の新たな一面を知り、厚みのあるシーンになった」と充実感を漂わせた。

 玉田は4月期にドラマ「天久鷹央の推理カルテ」(テレビ朝日系)、昨年4月期にも「ブルーモーメント」(フジテレビ系)に出演するなど成長著しい。芸能界入りは幼いころから積極的だった。

「もともとドラマや映画などの作品は小さいころから見るのが好きでした。ある日、好きな俳優さんが所属する芸能事務所が新聞に載っていて『ここに入れば、あの番組に出られるかも!』と思って電話したのが小学1年生の時。するとそこはヒップホップの事務所で(笑い)」

ダンスを披露する玉田
ダンスを披露する玉田

 もちろん、歌やダンスも大好き。約6年間続けた後、ステップアップの意味で全日本国民的美少女コンテストを受けたという。

「地元のスーパーで試食コーナーのおばちゃんから『出た方がいいわよ』と勧められました。今でもダンスの練習は続けています」

 その後、女優として着々とキャリアを重ねていったが、演技の道は手探りだった。“涙”の流し方に苦戦したこともある。そこで頼ったのが「ブルーモーメント」で共演した女優の平岩紙(45)だった。

「先輩女優さんに相談したのは初めてでした。平岩さんから『泣こうと思っちゃダメだから。泣かないと思えばいいんだよ』とアドバイスをいただき、それを実践したらうまくできたんです」

照れくさそうにダンスする玉田
照れくさそうにダンスする玉田

 台本の覚え方は独特だ。必ず風呂で湯船につかりながら、朝と夜の1日2回、1回2~3時間はかけるという。

「携帯を2台持ち込んで、片方でドラマを流してイメージし、もう片方で台本を読む。ロケでも、泊まりだったらホテルにまず『浴槽ありますか?』って聞きます」

 なぜ風呂なのかというと「他の刺激が視界に入らず、密閉されて集中できるから」。

 多忙な日々の息抜きはラーメン。中でも家系ラーメンが好きで、さまざまな店舗を巡っている。

「おいしいし、“家”によって個性があって楽しめる。のれん分けした系列まで調べて行くほどガチ。デリバリーでも家系を頼んじゃうので部屋が家系のにおいがするほど(笑い)」

 そんな玉田は今後、どんな女優を目指すのか。

「玉田志織が出ているから見ようと思ってもらえるような影響力のある女優ですね。そして落ち込んでいる人に元気を与えられる女性になりたいです」

 そう語る新進女優の目は輝いていた。

☆たまだ・しおり 2002年2月20日生まれ。宮城県出身。17年に全日本国民的美少女コンテスト審査員特別賞受賞。25年4月期にテレビ朝日系「天久鷹央の推理カルテ」に出演するなど、女優・タレントとして活躍。現在は仙台放送「川島隆太教授のテレビいきいき脳体操」にレギュラー出演している。25年1月からみやぎ絆大使に就任。趣味は釣り、ギターなど。身長162センチ。