29日のNHK連続テレビ小説「あんぱん」第44話で、深まる日中戦争を背景に「乾パン」を巡ってヒロイン・若松のぶ(今田美桜)や実家朝田家らの内部に亀裂が生じる様子が描かれた。
「蘭子までヤムおんちゃんみたいなこと言うがかえ!」
のぶが激しい口調で妹の蘭子(河合優実)を責める。「やめなさい、2人とも!」と姉妹の母・羽多子(江口のりこ)は一喝。家族は喜び一転、険悪な空気に包まれた。
時は昭和15(1940)年。日中戦争が始まって3年、日米開戦が翌年という状況下「愛国のかがみ」と称されるのぶは、教諭として勤務する尋常小学校で、陸軍から乾パン納入の注文があることを伝えられる。
のぶの実家は「朝田パン」を営み、あんぱんを売りにしている。乾パンを引き受ければ「陸軍御用達」の名誉に加えて商売も潤う。祖父釜次(吉田鋼太郎)ら一家は沸くが、家族外でパン作りの中心を担う「ヤムおんちゃん」こと屋村(阿部サダヲ)は「嫌なものは嫌だ」と拒み、蘭子も同調する。
これに釜次は激怒。乾パン作りを断ることになったのぶが校長に責められれば、羽多子は婦人会でつるし上げに。末の妹メイコ(原菜乃華)は「家族がバラバラになってしまう」とベソをかいた。
蘭子は結婚するはずだった豪(細田佳央太)を中国戦線で失っていた。豪を英霊とたたえる周囲の空気に「そんなの嘘っぱち」と反発。屋村は豪の出征祝いの席で、殺し合いに行くのに何がめでたいのかと、戦争への嫌悪感を隠さなかった。
そんな経緯があった2人が今回の44話で、戦争協力に〝ノー〟を突きつけ、のぶらに反旗を翻す形に。「戦地の兵隊さんのこと思うたら嫌やなんて言えんがやろ」と言うのぶに、蘭子は「もう戦争なんか関わりとうない!」。
くしくも、屋村と蘭子を演じる2人は、反響を呼んだ昨年のTBS系ドラマ「不適切にもほどがある!」で主役とヒロインだった。今回、不適切どころか「思想犯」扱いされかねない立場で〝共闘〟となりそうだ。












