ケイコ・リー「The Flame/ザ・モーメント・オブ・ラヴ」
京極夏彦の時代小説「巷説百物語」シリーズは、1997年に雑誌で連載が始まり、昨年完結。2004年に第130回直木賞を受賞したのをはじめ、柴田錬三郎賞、吉川英治文学賞などを軒並み受賞している、人気も評価も極めて高い作品だ。
小説以外のメディアでも漫画化、実写ドラマ化などマルチな展開をしていたが、直木賞受賞の前年、03年にはアニメ化も実現している。
このアニメ版の主題歌を手掛けたのがジャズ歌手のケイコ・リー。オープニングの「The Flame」、エンディングの「ザ・モーメント・オブ・ラヴ」はどちらも彼女が歌う曲で、この2曲をカップリングしたシングルも発売された。
「The Flame」はシンセベースがびゅんびゅんとうねりまくるミドルテンポのブラコン系ファンクサウンド。一方の「ザ・モーメント・オブ・ラヴ」はピアノトリオの演奏に乗せた、スローでロマンチックなジャズバラードだ。
歌詞はどちらも英語。サウンドもボーカルも完全な“洋楽”であり、和風の要素はみじんもない。「巷説百物語」は江戸時代末期を舞台にした時代小説なのだが、そのアニメのOPとEDにこの2曲を配置したのは素晴らしい。ミスマッチングではなく最良の化学反応を起こしており、京極作品の完成された世界観に新たな魅力を添えている。
特に「The Flame」のカッコよさといったら、もはや世界水準。これ、12インチアナログシングルで欲しいくらい。そして低音が効いたオーディオシステムでそのグルーヴに身を委ねたいと思ってしまった。












