結成16年以上のコンビで争う漫才の賞レース「THE SECOND~漫才トーナメント~2025」の開幕戦ノックアウトステージに進出する32組に選出された漫才コンビ「エル・カブキ」が取材に応じた。〝時事ネタ〟で勝負する2人のこだわりは〝他と絶対にかぶらない〟。フジテレビ主催の賞レースながら、フジの騒動を安易にイジるような漫才師とは「一緒にされたくない」と言い切った。
結成16年目のエル・カブキは「THE SECOND」は今年が初出場。昨年までM-1グランプリに出場したが、最高で3回戦と結果を残せなかっただけに、今回の結果は喜びもひとしおかと思いきや、そんな単純な話でもないという。
エル上田は「賞レースへの熱い思いは、もう打ち砕かれてる。メチャクチャウケても落とされたことが何度もあるんで…」。
ただ、芸人仲間には「M-1よりも『THE SECOND』向き」と言われていたという。上田は「マシンガンズさんがフリートークみたいな漫才で準優勝してたから、チャンスはあるかなと」。デロリアン林は「僕はいけると思ってましたね。お客さんの年齢層的には『THE SECOND』ならいけるかなって」。
初戦の相手は金属バットに決定。2年連続で決勝戦にあたるグランプリファイナルに残った強豪だ。林は「注目された方がいいと思うので、金属バットでよかったと思います。なんか人気あるんで」。
コンビ名はプロレスラーを意識したイメージがあるが、実はそうではない。林が好きな漫画「花の慶次」の〝傾奇者(かぶきもの)〟から「カブキ」を提案。上田は「エル・カブキならプロレスラーっぽくていいなと思って。よく『エル・サムライとグレート・カブキを足した』と言われて、めんどくさいから途中から『そうです』と言ってました。一度、グレート・カブキさんの居酒屋に行った際、一緒に行った先輩が『コイツはカブキさんから名前もらった』ってオレより先に言っちゃって、否定できなかったけど…。カブキさん、すいません。実は違います」。
漫才のスタイルは時事ネタだ。くしくも「THE SECOND」を主催するフジテレビが中居正広氏の女性問題を巡る騒動の年に32組に選出。やはりフジの騒動はおいしいネタなのか?
上田は「予選からフジの騒動をネタにするコンビが結構いたけど…。時事ネタって簡単なんですよ。その日のニュースをパッと言ったらウケやすい。でも、僕らは『ほかと絶対カブらないようにする』ことだけは決めている。フジを安易にイジるヤツは多いから、じゃあイジんない、と。安易な時事ネタをやる人と一緒にされたくないんで」。
一方で時事ネタ漫才で知られる爆笑問題は、フジのネタ番組で騒動をイジって話題となった。上田は「爆笑さんはすごいです。フジもそうだし、松本人志さんをイジるにしても、関係性からして太田さんが一番面白い。もし僕らが松本さんをイジるとしたら、全然違う角度からやるかな」。
爆笑問題の影響は大きいそうで、林とコンビを組んだ決め手の一つが「爆笑さんが好き」と言ったこと。上田は「だからこそ、爆笑さんの時事ネタには絶対かぶらないようにしたい。ナイツさんもそうですね。時事ネタでほかとかぶらないことがこだわりです」。林も「エル・カブキの時事ネタはほかのコンビとは違うと言ってもらえるとうれしいですね」と言う。
また、ネタづくりには東スポも活用。「時事ネタって、大きいニュースがあればあるほどどうでもいいニュースがおもしろくなる。東スポはくだらないニュースがおもしろいイメージ。トランプ、ゼレンスキーやってる中でショーンKを1面に持ってくるのは東スポだけだから。あとたまにネッシーとか1面になると魂を感じます」(上田)
他のコンビとは一線を画す〝時事ネタ漫才〟に注目だ。
☆エル・カブキ デロリアン林=1982年10月25日生まれ、北海道出身。エル上田=1984年1月19日生まれ、神奈川県出身。2009年6月にコンビ結成。11~21年にマセキ芸能社所属。現在はフリーで活動する。14年にNHK新人お笑い大賞本戦進出。16年には「第16回決戦!お笑い有楽城」で優勝している。















