6日放送された日本テレビ系新ドラマ「若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私―」の初回で、主人公のドラマ助監督・涼(堀田真由)が、NHK連続テレビ小説「虎に翼」のヒロイン・寅子(伊藤沙莉)をほうふつさせるセリフを吐いて性別固定観念にあらがうシーンがあった。

 番組サイトによると同ドラマは、町田家の4姉妹(涼は次女)が四者四様の幸せを追いかける社会派シスターフッドコメディー。初回は、急きょ連ドラ第7話の監督を代役で務めることになった涼が、セリフ改変を巡って脚本家の黒崎(生瀬勝久)の女性観に公然と異を唱える場面がクライマックスをなした。

 姉や妹と違って「恋も結婚もしない」と言い切る涼。監督を任された7話の脚本で、男にダマされて悲しむ女性が「もっと恋しないと」と別の女性に励まされる場面に違和感を覚えた。「人生は恋とか結婚だけがすべてじゃない」に差し替えを望んだが、黒崎と衝突し激論をかわした。

「恋愛と結婚がヌルって抜け落ちても幸せ達成できる女性はウジャウジャいると思います」「そういう人たちのことを見えないことにしている、なかったことにしているのは黒崎さんじゃないんですか」「そうやって狭い価値観で女性の幸せを決めつけないでほしい」

 涼はもともと脚本家志望だった。黒崎は「中途半端に脚本をかじっただけで僕と同じステージに立ったつもりでいるのは思い上がりもはなはだしい。自分の立場をわきまえなさい!」。涼は会社をやめて脚本家を目指すと啖呵を切った。

 存在するのに「なかったこと」にされることや人たちは、まさに「トラつば」で寅子が強調してきたこと。「恋愛や結婚が女の幸せ」という観念を「刷り込み」と断じた涼は、数十年前の寅子と変わらない。

 X(旧ツイッター)では「『虎に翼』が終わった後でこういう物語が続くのは気持ちいい」という声も。「トラつば」の作者に触れて「これは後の吉田恵里香さんぽいような」「虎に翼の脚本家さんみたいなこと」との指摘もみられた。脚本家宣言した涼が、いずれ吉田氏のようになって「トラつば」的作品を生みだすという見方だ。

「若草物語」の副題にある「恋せぬ私」は、吉田氏の脚本で大反響を呼んだ「恋せぬふたり」(2022年、NHK)と似ている。同ドラマで話題を呼んだ「アロマンティック」に当てはまりそうな涼は、咲子(岸井ゆきの)と寅子のハイブリッド版キャラか…。