人形浄瑠璃・太夫の竹本千歳太夫(64)と三味線奏者の竹澤團七(88)と浄瑠璃人形遣いの桐竹勘十郎(70)が23日、大阪・国立文楽劇場で行われた「11月文楽公演」(11月4日~26日)取材会に出席。歌舞伎や人形浄瑠璃の作者・近松門左衛門について語った。

 本公演は、文化庁芸術祭主催公演で第一部は「双蝶々曲輪日記」、第二部は「奥州安達原」、第三部で近松門左衛門300回忌として「冥途の飛脚」が行われる。さらにデジタル文楽として「プロジェクションマッピングや人形体験」が実施される予定だという。

 近松門左衛門が執筆した「冥途の飛脚」は、300年以上前の上方(現在の京都・大阪)で起こった実話を脚色した世話物(町の人々の生活や風俗などを背景とした作品)の代表作。

 同作品の出演経験は今回で4回目になるという竹本千歳太夫は「近松の作は字余りや字足らずが多く、やるたびに苦労しています」と吐露したが、「さすが名作で見せ場が多く、見どころも多い」と話した。

 竹澤團七は「三味線弾きというのは、太夫と一緒にいながらもちょっと控えめに、太夫さんに上手に語ってほしいな、お手伝いするんだみたいな気持ちで仕事をしている」と切り出し、続けて「舞台生活70年になるんですが、楽しんでやってます。舞台に出て三味線弾くのが楽しい。お客さんも楽しんでいただけたら最高だな」と笑顔を見せた。

 同作品は大坂淡路町の飛脚問屋・亀屋忠兵衛を中心に友人の八右衛門などの人形が登場する。桐竹勘十郎は「最初の場面を見てもらうと、2人の関係がよく表れています」と話した。人形浄瑠璃と歌舞伎では、八右衛門の描かれ方が違うという。「人形浄瑠璃の原作の脚本というのは、よくできているなといつも感心をします」とも語った。

 最後に「今まで300年たっており、あちらこちら変えているとはいえ、多くのみなさんに分かっていただき、楽しんでいただいている演目です」と話し、アピールした。