【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。宮崎駿監督の10年ぶりの新作アニメ映画「君たちはどう生きるか」が公開4日間で135万人を動員し、「千と千尋の神隠し」(2001年)を超えるスタートを切りました。

 本作は公開日まで宣伝を一切行わず、あらすじ、キャストが明かされていませんでした。これは宣伝を行わず大ヒットした映画「THE FIRST SLAM DUNK」(22年)と同じ手法ですよね。結果としてよかったわけですけど、ジブリというブランドが出来上がっているからこそできる手法でもあります。

 今回はネタバレしないように僕なりに解説します。本作は「面白い」と「つまらない」の評価が真っ二つに分かれていることでも話題になっています。僕はこの映画を3回見ました。1回目は正直、本当に訳が分からなかった(笑い)。見終わった後、僕だけじゃなくて映画館中が「どういうこと?」って変な空気になって。これは大コケするんじゃないかなというのが率直な感想でした。

 2回目は確認作業をしながら見たんですが、これは宮崎監督の遺書だと思いました。少年時代からの思い出と次の時代を継ぐ若者たちへのメッセージなんじゃないかと。

 3回目は、これまでに自身が手掛けてきた過去作のオマージュ、そして監督の人生の走馬灯でもあるのではないかと。
「つまらない」という評価についても分析したいと思います。“君たちはなぜつまらないと思うのか”。僕的に考えたのがタイパ時代に合ってないからだと思うんです。

 どういうことかというとタイムパフォーマンスが非常に悪い映画なんです。今の時代って1分の切り抜き動画で物事の要点を知ることができます。無断で映画にナレーションをつけて10分程度にまとめたファスト映画も一時問題になりました。

 そのアンチテーゼでもあり、あえて答えを提示しない不親切な映画なんです。宣伝をしないので前情報がないから全くどんな映画か分からない。ジブリだからきっとこうだろうと期待して見に行ったら裏切られる。さらに説明的なセリフが一切ないから見る人によって捉え方が違うので感想も全く違う。

 タイパよく答えを知ろうとするけど、それは違うよと。分からないことを考えるから生き方が豊かになったり、苦しんだりすることで自分の中の指針ができる。「君たちはどう生きるか」という問いかけに対して、それぞれの答えがあっていい。議論を呼ぶことがヒットの要因なのかもしれません。