こんにちは、東スポ競輪アンバサダーの太田理恵です!

 梅雨が始まると、チャレンジ戦が期末に向けてさらに激しくなります。今期も代謝ボーダーの争いが行われており、シビアに着にこだわる姿や、代謝ボーダーの選手が勝ち上がれるような作戦をラインで考えて臨む姿は、トップ選手の戦いとはまた違った面白さがあります。

 中でも今回、私が注目していたのは原野隆(45=東京)選手。5月の京王閣では、永井哉多(21=東京)選手と同じ開催となりました。永井選手にとって原野選手は、お父様(永井隆一選手)の同期でホームバンクも同じ、生まれる前から自分の存在を知っていて一緒に練習もしたことがある関係性でした。

 連日、永井選手は原野選手と絶対に勝ち上がりたいという強い意志を感じるコメントを出していました。

 永井選手は3日間、原野選手を番手に従えて前受けから突っ張り先行しました。そして初日は茂木和臣(54=埼玉)選手、準決勝は本間慎吾(36=新潟)選手が3番手を固めて、後ろを気にしている様子も見受けられました。

 決勝も前受けから逃げた永井選手は、まくってきた河崎正晴(22=熊本)選手に迫られましたが、これを見事に合わせ切りました。永井選手が3コーナーで思い切り踏んでいる姿は、原野選手を連れて叩かれるわけにはいかない、という声が聞こえるような先行で、今でも脳裏に焼き付いています。

 京王閣決勝5着で点数を上げた原野選手は、その次の松戸でも予選と最終日の選抜戦で1着を取り点数アップに成功。この2勝はいずれも大越啓介(34=栃木)選手の番手でした。

 大越選手はどちらかといえば自在タイプで、あまり先行する姿は見ないのですが、初日は前受けからの突っ張り先行。最終日は番手に飛び付いて3角から仕掛けて行きました。

 特別な思いがある選手同士が連係したり、普段は先行しない選手が先行をするレース、点数順ではない並びや3番手が後ろを気にする、そんなレースの端々から、その選手が周りから愛されているのだと感じます。

 そういった背景からお会いしたことのない選手の人柄を想像したり、セオリーとは少し違った動きを想像するのも、この時期の競輪の楽しみの一つです。

 ☆おおた・りえ 1992年6月22日東京都生まれ、東京大学大学院卒、ミス・ワールド2014日本大会審査員特別賞、同大会2015実行委員長賞受賞、同大会2020日本伝統文化賞。