121、122期にスポットを当てる「Challenge! 新人選手紹介」。今回紹介する大川剛(24=青森)は趣味が筋トレという屈強なパワフルルーキー。在所2位の好素材は、冬期移動先でともに汗を流した超一流選手に近づこうと日々努力を重ねている。

 スター候補がズラリと並ぶ121期の在所2位で、競輪選手養成所の記録会ではゴールデンキャップも獲得した。それだけでどれだけの逸材かが分かるだろう。しかし頭角を現したのは大学に入ってからだった。

 高校から自転車競技を始めたが、「同学年に嵯峨昇喜郎や小原丈一郎がいたんですけど、彼らとはレベルが全然違った」と述懐するように、当時はプロを目指せる力は備わっていなかったという。しかし地道な努力を重ね、進学先の八戸学院大学で秘めていた素質が爆発。

「進路をどうするか考えていた大学3年の時、嵯峨君や小原君がプロで活躍しているのを見て、自分も競輪選手になろうと思いました」

 養成所では前述の通りの大活躍。2022年7月の本デビュー後は早い出世も期待されていたが、落とし穴が待っていた。チャレンジ卒業をかけて臨んだ10月の京王閣決勝で先頭誘導員早期追い抜きを犯してしまい、4か月半近く強制的に実戦から離れることになってしまったのだ。

 しかしこのペナルティ期間と冬期移動シーズンが重なったことは、大川にとって不幸中の幸いだったかもしれない。師匠の永沢剛とともに、サイクルスポーツセンター(CSC・静岡)へ冬期移動すると、そこで〝怪物〟たちに出会った。

「静岡では深谷知広さんや新山響平さんなど、トップクラスの方と練習をさせてもらいました。レベルの違いを肌で感じたし、いつかそんな人たちと一緒に上で戦いたいっていう明確な目標ができました」

 意識が高まったことで練習にもより熱が入るようになった。レースがない間ひたすら練習に打ち込むと、ひと冬を越えて格段にパワーアップした。

 あっせん停止が解かれた今年3月から戦列に復帰。「7月には2班に上がれるので」と特進は意識せず、ひたすら「S級で戦えるために、内容にこだわっています」と長い距離を踏んでラインを生かす走りを続けている。

 同じく先頭誘導員早期追い抜き失格で長期離脱を経験した日高裕太(静岡)は4月末の松山でS級特進を決めた。

「S級に行った同期は早期卒業の2人(中野慎詞・太田海也)しかいなかったので。彼の特進でみんなに弾みが付いたと思うし、自分も近いうちに追いつけるように努力していきたい」

 やや遠回りをした1年目となったが、その分、大きな財産も手にした。選手としての挑戦は始まったばかり。先をゆく同期、そして輪界の最前線で活躍する〝練習仲間〟に必ず追い付いてみせる。

Q&A
――趣味が筋トレ?
 そうですね、筋肉、好きなので(笑い)。疲れている時なんかは逆に、息抜きのために夜9時ころからウエートをしたりします。
――お気に入りの筋肉の部位は
 あばら骨の辺りにある前鋸筋(ぜんきょきん)です!!

 ☆おおかわ・たけし 1999年1月24日生まれ。174センチ、80キロ。青森県十和田市出身。師匠は永沢剛(91期)。