4月29日の久留米競輪GⅢ「第5回大阪・関西万博協賛競輪」3日目6Rで中川誠一郎(43=熊本)が1着とし、通算47人目(男子選手のみの場合は44人目)となる昭和58年4月以降の競走における通算500勝を達成した。85期生の中川は2000年8月15日のデビューから22年8か月14日(デビュー日を含まない)での大記録。

 GⅠ3Ⅴ(2016年4月静岡日本選手権、2019年2月別府全日本選抜、同年6月岸和田高松宮記念杯)と輝かしい成績を残す誠一郎に新たな勲章が加わった。

 緒方将樹(24=熊本)の巻き返しに乗って、ラストは外を踏み込んだ。逃げた上杉嘉規(25=福井)と接戦で「微妙かな」とゴール直後は思っていたが、ファンからの「おめでとう」の声が聞こえて勝利を実感した。「どこで勝っても1着はうれしい」と笑顔でメモリアルの勝利を喜んだ。そして、「GⅠとこの1勝は違うけど、お客さんにとっては変わらないですからね」。

 思い出の1勝は自身初タイトルとなった駿府ダービー決勝だ。2016年4月の熊本地震からすぐの開催で心身ともに疲弊していたが「僕ができることは走ることだけ」と鼓舞し、走りで被災者を勇気づけた。

 損傷が激しく休催が続いている熊本競輪場も来年度の再開へ向けて進んでいる。稀代のスピードスターは「熊本バンクを走ることが復興」と事あるごとに言い続け、熊本輪界を引っ張ってきた。

 その思いはこれからも変わらない。

「ワッキー(脇本雄太)みたいにすごいレースは見せられないけど、散り際の美しさを表現していきたい」と話し、誠一郎はみんなに愛される走りを続けていく。