俳優の小沢仁志(60)の還暦記念映画「BAD CITY」が20日から全国公開される。今作では還暦とは思えない肉体を生かし本格アクションに挑んだ。「顔面凶器」の異名を持ち、プライベートでも数々の武勇伝を持つ小沢が撮影秘話から役者人生、そして日本映画界への思いを語った。
本作は小沢によるオリジナル脚本で100人以上の敵を相手に、CGやスタントなしのガチンコアクションに挑んだ。
世界でも高い評価を受けるアクション俳優TAK∴とも初共演し、撮影の域を超え段取りなしでバチバチにやり合った。「監督が『フリーで』って言うから、ぶっつけ本番。アイツの速さについていくのがやっとだから隙見てブン殴ってやろうと思うんだけど避けやがるし、この野郎って(笑い)」と悔しがる。
還暦を迎えた小沢だが、現在もベンチプレス90キロを上げるという胸板はたくましい。モチベーションを尋ねると「若いネェちゃんと海に行って、腹が出てたら父親かパトロンに間違えられるじゃん。あれがムカつくからずっと鍛えてる。動機は不純なほど長続きするんだよ」と持論を語った。
ハードなトレーニングを課す一方でお酒とタバコはたしなむ。昨年6月の誕生日には手荒い祝福を受けた。「地獄だったよ。『小沢会』って北海道から九州まであるからイベント行くじゃんか。テキーラ60杯とか年の数だけ平気で出してくるんだよ。『殺す気か』と言いながら飲んだけどね」と豪快に笑い飛ばした。
女、酒と昭和のにおいをプンプンさせる豪快エピソードを持つ小沢のルーツは昭和のスターたちだ。
「松方弘樹さんはコップにブランデーを入れて3杯一気やってからビールもらって『じゃあ飲もう』って。その3杯は何の意味があるんだって(笑い)」
小沢も犯人B役で出演したデビュー作「太陽にほえろ」で監督を殴った逸話を持つ。「今ならそこで終わってるだろうな、俺の役者生活。今みたいにコンプライアンスとかなかった」。暴力は許されないが、行き過ぎたコンプライアンスについては「クソみたいだよ。生きづらくてしょうがない。スケールのデカい役者が育たないじゃん」と憂う。
「俺らの仕事の究極は勝新太郎さんの記者会見なんだよ」と話す。勝さんが1996年に下咽頭(かいんとう)がんの治療のためタバコとお酒をやめたと発表した会見を挙げ「タバコ吸いながらビール飲んで。記者が『お酒やめたんですよね。それは?』って聞いたら『ビール』って答えて(笑い)。そこから完全にマスコミは勝新太郎のファン。あれが俺たちの仕事じゃないの。そういう勝新太郎だからお金を出して映画を見に行きたい。小さくまとまった映画界の映画なんて誰が見る?」とすごんだ。
日本にアクション映画が根付かない現状についても「リスキーでコストが高いって敬遠されがちのジャンルだから全然続かない。『(95年の小沢主演映画の)SCOREが興行的に振るわなかったからじゃないか』という責任転嫁まで来る」と明かす。
「その悔しさがずっとあるから俺はまだ動けるのかもしれない。核弾頭だからもはや。映画界にブチ落とすから新しい何かが建ちゃいいんじゃね」
「顔面凶器」「Vシネマの帝王」と数々の異名を持つ小沢に「アクション映画の核弾頭」という新たな異名が加わることになりそうだ。
☆おざわ・ひとし 1962年6月19日生まれ。東京都出身。84年にTBS系ドラマ「スクール☆ウォーズ」に出演してブレーク。「日本統一」シリーズなどに出演し、近年ではバラエティーやユーチューブに活動の幅を広げている。














