アイドルグループ「SKE48」の須田亜香里(30)が24日に名古屋市内の日本ガイシホールで卒業コンサートを行った。アイドルの枠を超え、今では名古屋を代表する人気タレントに成長した須田だが、13年間のSKE人生は山あり谷あり。中でも最大のピンチだったのが、9年前、沖縄の砂浜で起こった“号泣事件”だった。
須田のアイドル人生が凝縮されたステージだった。1曲目のソロ曲「今の私じゃダメなんだ」からアンコールの「君のことが好きだもんで」まで全35曲にフル出演し、圧巻のパフォーマンスを披露。「孤独なバレリーナ」では学生時代に全国2位になったバレエを、「前しか向かねぇ」では昨年から始めたギターを披露し、会場を興奮の渦に巻き込んだ。コンサート終了後、感想を求められた須田は「理想のSKEでいられる姿を目いっぱい発揮できた。その達成感です」と充実の表情を浮かべた。
テレビ、ラジオのレギュラー5本を抱える売れっ子の須田だが、これまで決して順風満帆なアイドル人生ではなかった。大きな挫折となったのが2013年の「沖縄号泣事件」だ。
当時、人気急上昇中だった須田は松井玲奈、松井珠理奈に次ぐグループ3番目の握手会人気となっていたが、なぜかグループ内の序列は低いまま。13年7月に発売されたSKE12枚目のシングル「美しい稲妻」では、12番手の立ち位置。沖縄の砂浜で撮影されたミュージックビデオ(MV)のダンスシーンではカメラから一番遠い場所で踊るよう指示された。珠理奈や玲奈を撮影する場所はスタッフが砂浜に転がっているサンゴや貝殻をきれいに片付けてくれるが、端っこで踊るメンバーは自分でサンゴを拾わなければならない。「ファンの方に認められていたことを形にして、絆として見せているのに所属しているグループからは認めてもらえない」。宿舎に戻った後、須田は悔しくて一晩中泣き明かしたという。
「あのとき“私はダメなんだ”とか、“会社に嫌われている”という捉え方をしていたら、辞めていたと思う。そこで自分に何が足りないんだろうと考えたり、アドバイスをくれる方との時間や出会いを意味のあるものにできたからよりファンの方からも愛してもらえて、グループからもいろんなことで信頼してもらえるようになったのかな」。沖縄でのMV撮影直後に行われたAKB選抜総選挙で須田は16位となり初の選抜入り。「私を『瞳の中のセンター』にしてくれたから、こうやって前に進むことができました」とファンに感謝した。次のSKEシングル「賛成カワイイ!」では珠理奈、玲奈、木﨑ゆりあに続く4番手の立ち位置となり、タイで行われたMV撮影でもソロでのシーンが大幅に増加。以降、48グループを代表する人気メンバーに成長していった。
「君だけが瞳の中のセンター」というタイトルが付けられたこの日の卒業コンサートでは2曲目の「恋を語る詩人になれなくて」で、須田は3列目の端のポジションで歌った。これは劇場デビューしてから3年半、ずっと変わらなかった立ち位置だ。それ以外の曲はほとんどゼロポジション(センター)で歌って踊り、自分をこの位置に押し上げてくれたファンにパフォーマンスで感謝の気持ちを伝えた。
11月1日でグループを卒業する須田は10月に約2年10か月ぶりとなる握手会も開催する予定。「卒業した後も握手会や本のお渡し会ができる人でありたいと思います」。自分を育ててくれたファンとの絆をこれからも大切にしていくつもりでいる。












