ボートレース多摩川のプレミアムGⅠ「第9回ヤングダービー」(優勝賞金1100万円)は最終日の25日、準優勝戦を勝ち上がった6人により12Rで優勝戦が行われた。
枠なり3対3で始まったレースはインからコンマ05と究極のスタートで飛び出した近江翔吾(29=香川)が差した中村日向もまくった羽野直也も問題にせずバック水面で主導権を握ると道中猛然と追い上げた末永和也を振り切り先頭でゴール。デビュー12年目、通算13回目の優勝はうれしいGⅠ初制覇となった。
序盤は台風14号、終盤には台風15号が接近と天気には恵まれなかったシリーズだったが、日本一の静水面を誇る多摩川はビクともしなかった。そして最終日は是政の杜に秋の陽光が降り注ぎ、若手ナンバーワンを決めるにふさわしい舞台が整った。
決戦は1号艇にエース機を駆り、ヤングダービー卒業をVで飾りたい近江。2、3号艇に将来性豊かな登録番号5000番台の新星・中村と末永。外枠には羽野、上條暢嵩、仲谷颯仁とGⅠタイトルを持つ格上がズラリと並び、近江VS5人の刺客の構図だ。
スリットは近江が「フルダッシュでした」のコンマ05。イン先マイからスリット裏で独走態勢を築いた。しかし、表彰式後、インタビューに現れた近江の表情は硬く厳しいままだ。
「1M出口でかなり浮いたんで…。そこからダメですね。0点のターンをしてしまった。2ハイぐらいに差されるのは覚悟していました。差されていなかったのはエンジンのおかげです」
他人には優しく自分には厳しいストイックな男は「(22号機は)乗りにくいけど押してくれた。足は節一でした」とターンミスをカバーしてくれた22号機に感謝する。その後の会見でも「自分には全部が足りない」と反省の弁連発となったが、エース機を引いても優勝まで導ける選手はそうそういない。
2日目から6連勝と7走連続ゼロ台スタートを決めた近江の技量とメンタルのたくましさは称賛に値する。「自分には伸びシロしかない」という発展途上人・近江は「ヤングダービー」卒業を機に成長を始めるはずだ。来年はSGでの大暴れを楽しみに待ちたい。












