〝英国の母〟エリザベス女王(96)が8日、逝去した。ロンドンのバッキンガム宮殿前には花束を持って死を悼む人が続々と集まったが、ある現象が世界的な話題となった。冷たい秋雨が一時やんだ夕刻の空に大きな二重の虹が架かったのだ。女王が虹を渡り、チャールズ皇太子が新国王になるのを祝うかのような美しい光景に涙した人もいたという。

 虹が架かったのは女王の死去が発表される直前。バッキンガム宮殿の上空に2つの虹が出現したとロイター通信が報じたことで世界的に広まった。日本のSNSでも「こんな奇跡…鳥肌」「虹を渡ってフィリップ殿下の元へ行ったんだね」など感動を呼び起こしていた。

 実はこのような奇跡的出来事は日本でも起きたことがある。天皇陛下の「即位の礼」が行われた2019年10月22日のことだ。東京では前夜から雨が降っていたのだが、即位の礼の中心儀式「正殿の儀」が行われる直前に雨はやみ、雲間から青空がのぞき、皇居の上に虹が架かったのだ。

 晴れ間のタイミングや虹の場所も完璧で、当時のSNSでは「エンペラーウェザー(天皇晴れ)」と驚きの声が出ていた。

 民俗学に詳しい山口敏太郎氏はエンペラーウェザーという言葉について、「これは皇室や欧州の王族が行事などで動いた時に晴れるという現象を表す言葉です」と解説した。

「偉大な英国の女王の死も、晴れやかな天気で見送ってくれたのでしょうか。本当に悲しいことではありますが、新型コロナのまん延など、なんとなく世界を覆っていた暗い影をエリザベス女王が持ち去ってくれたような気がします。世界中で敬意を持って見送りましょう」(山口氏)

 過去には明治天皇の即位の礼の際にも晴天となり、昭和天皇は晴れ男として有名だったという。

 皇室と英王室の関係は深い。9日、天皇陛下は宮内庁を通じて「深い悲しみの気持ちと心よりの哀悼の意を表します。数多くのご功績とご貢献に心からの敬意と感謝を表明いたします」と「お気持ち」を文書で発表。英王室は国葬の日程調整に入り、2週間以内に執り行われる予定となっている。世界中からたくさんの人が集まりそうだ。