看板力士の地位を死守した。大相撲名古屋場所12日目(21日、愛知県体育館)、大関正代(30=時津風)が幕内碧山(36=春日野)を押し出して8勝目。勝ち越しを決めて4度目のカド番を脱出した取組後は、開口一番「すごくホッとしてます」と安堵の表情を浮かべた。

 一時は崖っぷちに立たされていた。初日から3連敗するなど序盤戦で1勝4敗。「取組が終わって(部屋に)帰っても、どこか休まらない、相撲のことを気にしている感じだった」。不本意な内容が続き、表情や言葉にも悲壮感が漂っていた。それでも立ち合いの改善で本来の力強さが目立つようになり、6日目から7連勝で陥落危機を回避。普段から辛口が目立つ伊勢ヶ浜審判部長(元横綱旭富士)も「積極的になった。自分から攻めていた」と話すように、正代の変化を感じ取っていた。

 その一方、大関本人はカド番と脱出を繰り返している現状を反省。「調子が安定せず波があるなと。常に持ち味を出せるようにしないと。調子に左右されなければ(星の)取りこぼしも減ってくると思います」と今後の課題を挙げた。

 13日目は3敗の貴景勝と大関戦が組まれた。トップの横綱照ノ富士(30=伊勢ヶ浜)、幕内逸ノ城(29=湊)とは2差で逆転Vは厳しい状況だが、正代は「まずはひと段落したけど、ここで気を抜くことなく最後まで(自分の相撲を)取って締めくくりたい」と力を込めた。