「ニーニー」の賢秀(竜星涼)のダメ男ぶりに注目が集まるNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」。17日の放送では妹のヒロイン暢子(黒島結菜)も巻き込まれたねずみ講ビジネスだが、問題のビタミン剤「ジャイアントビタミン スリーセブン」が示す世相は多岐にわたる。
視聴者の疑問を呼んだのは、賢秀の危ない商売を母親(仲間由紀恵)が応援し、義弟で新聞記者の和彦(宮沢氷魚)が止めなかったこと。ドラマの時代設定は、暢子が和彦と結婚した1979年もしくはその直後とみられる。
兵庫県警ウェブサイトにあるねずみ講解説によると、70年末ごろに加入者が「詐欺だ、インチキだ」と声を上げ、国会でも問題に。「無限連鎖講防止法」が79年に施行された。ドラマの時代はすでに、国民の間に問題意識が広がっていたのだが、17日の放送で暢子の勤めるレストランオーナーがようやく指摘して賢秀の目が覚めた。
賢秀はこの米国製ビタミン剤を暢子らに紹介する際、「アメリカではもう誰も野菜や果物でビタミンをとらない」と豪語した。サプリメントのような位置づけだが、サプリメントは米国で70年代に市民権を得たという記述もネット上で見られる。ブームはやがて日本にも伝播。まさに世相を示す〝健康商品〟を賢秀は振りかざしていたことになる。
そして大仰なネーミングは、当時存在していなかったが、人気飲料「デカビタC」をパロディー化したような装い。「ジャイアント=デカ」「ビタミン=ビタ」と符合する。「スリーセブン」については「777」と賢秀の名刺に記されてあった。これが連想させるのはパチンコの「フィーバー」機種だ。
フィーバー台がSANKYOから登場したのは80年。空前の大ヒットで、インベーダーゲームに押されていたパチンコが人気を取り戻したといわれる。
「一発大儲けしてビッグになる」が口癖の賢秀。大当たりの「スリーセブン=777」には、そんな生き方を象徴する意味も秘められていた。












