大相撲名古屋場所7日目(16日、愛知県体育館)、大関カド番の正代(30=時津風)が全勝の幕内逸ノ城(29=湊)を退け、看板力士の意地を見せた。

 胸で強く当たってからいなして相手を泳がせると、その後も休まず攻め続けて、力強く押し出した。取組後は「(勝因は)立ち合いの角度。腰もよく割れている。圧力をかけつつ(上体を)起こされないように考えた。この立ち合いをすると決めているので、迷うこともなく思い切りいけた」と納得の表情を浮かべた。

 4度目のカド番で迎えた今場所は、序盤の5日間で1勝4敗。絶望的な状況から突然息を吹き返すのが、この大関の〝真骨頂〟でもある。3月の春場所でも1勝5敗で迎えた7日目から覚醒。千秋楽まで6連勝を含む1敗で乗り切り、奇跡の大関残留を果たしている。

 もちろん、正代自身も簡単にあきらめるつもりはない。場所の後半戦へ向けて「成績がついてきてないので、これから調子を上げていければ。春場所で巻き返した? そうなったらいいなと思っています」ときっぱり。2場所前の〝ミラクル再現〟を狙っている。

 日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「(相手より)先に動いたのが良かった。(逸ノ城は)全勝の力士だし、思い切っていけたのでは。向かっていく姿勢。勝ち負けを度外視して思い切っていけた」と勝因を分析する一方で「まだまだでしょう」と大関に一層の奮起を促した。今回も驚異的な〝粘り腰〟を発揮することができるか。