インタビューを受けたくなるインタビュアーとして、フリーディレクターの三谷三四郎氏が注目を集めている。テレビディレクターからユーチューブに活動の場を移し「街録ch~あなたの人生、教えて下さい~」を2020年に開設。街行く人から、アウトロー、芸能人までの人生ドラマを聞き出すスタイルが人気となり、登録者数は73万人を超え、年内に100万人を目指す。出演者はなぜ、話を聞いてもらいたくなるのか。三谷氏の魅力に迫った。


 三谷氏は今月、話題の人物のインタビューを控えている。その人物とは芸能人の素顔を次々と暴露し、芸能界を震かんさせているガーシーこと東谷義和氏だ。東谷氏がインタビューを受けるのは極めてまれなことだが、双方のチャンネル登録者などから共演希望の声が殺到し、東谷氏の「街録ch」の出演が決定。

 東谷氏からどんな話を聞き出すのか。周囲の期待が集まる中、三谷氏は特に構成はないという。「最近のスケジュールを聞いて、なんとなく分かったらひたすら生まれてから今に至るまでを聞いていく感じなんで。このことを絶対に聞こうとかあんまり決めて行かない。その質問が大事だと思って外した時にダメージがデカすぎるんで。期待はしてるんだけど、答えてくれる内容には何にも期待しないです」

 これが三谷氏のスタイルだ。「あなたの人生、教えて下さい」をテーマに、三谷氏がひたすら出演者の人生を聞いてきた。

 番組を月に何本も掛け持ちするほど優秀なテレビディレクターだった。なぜ、テレビを離れたのか。「いろいろな人の好みに合わせて作る都合いい人間として求められるから『自分がこうしたい』みたいなものが、かなわない仕事ばっかりになって。自分の好きなようにやれるもんが欲しいと思って」とテレビの世界を飛び出した。やりたいことを突き詰めた結果、人気チャンネルを築き上げた。

 そんな三谷氏だからこそ巻きこまれるのが「テレビとユーチューブどっちが面白いか」論争。「テレビ番組がつまんないってわけじゃない。1個言えるのはテレビのほうが圧倒的に不便。好きな時間に好きな場所で見られない。不便な物ってすたれていく。いまだに馬車に乗ってる人なんていないじゃないですか。不便だからそこにお金が落ちなくなって、人材が集まんなくなっていく。縮小していくのは目に見えてるという話ですね」と分析する。

 今後インタビューしたい人物について「笑っていいとも!」のAD時代の「曜日対抗いいともCUP」で優勝した金曜レギュラーメンバー(関根勤、草彅剛、爆笑問題の田中裕二、劇団ひとり、木下優樹菜、鈴木浩介)を挙げた。

「いいとも選手権で優勝した最後の曜日のADが自分だったんですが、その景品を渡し忘れちゃった。それを渡す活動を今してて。(「街録ch」に出演した)木下さんと関根さんに渡したんですよ。何かしらのコネを使ってでも、たどり着けないもんかなあと(笑い)」

 当時のエピソードについて「各曜日レギュラーの持ち込み対決企画があって、田中さんが考えてきた対決がヤバくて。猫をどれだけ愛でることができるかみたいな対決で『ジャッジはオレが決めます』って。お昼(の生放送)にしてはシュール過ぎないかと思ったのを鮮明に覚えてます(笑い)。出てくれたらめっちゃうれしいです」

 最後にユーチューブでの成功には「協力してくれてる人のおかげでしかないと思ってて。テレビ業界の会議って『視聴者はこんなの求めてない』とか『視聴者』って言葉をめっちゃ使う。そんなに大事かなって。見てる人ってそんなに真剣に見てない。でも、出てる人って真剣に語ってくれてる。一般の人で、無償で協力してくれてるなら、なおさらじゃないですか。協力してくれた人のためになるように作ってるというのが第一にあります」。

 そんな三谷氏だからこそ、出演者たちは自身の人生ドラマを語りたくなるのかもしれない。