【林明日香「小さきもの」】

 もはや説明不要の国民的人気コンテンツ「ポケットモンスター」。アニメもテレビシリーズに限らず、劇場版もこれまでに長編映画だけでも23作品が公開されている。

 今回取り上げる楽曲は、劇場版第6作として2003年に公開された「七夜の願い星 ジラーチ」主題歌「小さきもの」。歌ったのは当時まだ14歳の天才ボーカリスト・林明日香だ。

 この曲を簡潔に表現するなら、とにかく壮大で感動的なバラード。映画自体も泣けること必至のストーリーだったが、映画館の大きなスクリーンで、美しい映像に乗せて流れた「小さきもの」は、体全体に震えがくるようなエモーショナルなものだった(ライブで聴いたこともあるが、それも失神しそうにすごかった)。

 林明日香の、ギミックなしの直球歌唱は、例えていうなら映画「ボディガード」の主題歌「オールウェイズ・ラヴ・ユー」を歌ったホイットニー・ヒューストンに匹敵する感じ。そのドラマチックさはMISIAの「Everything」にも通じるものがあるが、それを14歳の中学生シンガーが完璧に歌っていたのは、驚異というしかない。

 ちなみに林明日香は17年公開の第20作「劇場版ポケットモンスター キミにきめた!」で、14年ぶりにポケモン映画の主題歌を担当した。同じ歌手が2回起用されたのは、23作中で他には小林幸子しかいない(小林は同じ曲のリメークだった)。大人になった林明日香のボーカルは、相変わらずの素晴らしさ。14歳当時も若さの割にはうまかった、というのではない。この人の実力は最初から現在に至るまで本物中の本物なのである。