世界が追悼――。ゲーム会社大手「任天堂」岩田聡社長が11日、胆管腫瘍のため死去したことが13日に発表され、各方面に衝撃が広がった。まだ55歳だった。
岩田さんは2002年に創業家の故山内溥前社長に見込まれ、42歳の若さで社長に就任。人気ゲーム機「ニンテンドーDS」や「Wii」を発売し、09年3月期には売上高1兆8386億円、営業利益5552億円と過去最高の業績を残し、全盛期を築いた。
プログラマーとしても超一流だった。コピーライターの糸井重里氏(66)は岩田さんを「救いの神」と形容。1993年にファミコンゲームの名作「MOTHER」の続編の制作作業が滞るなか、岩田さんが現れ「今のプログラムを生かして作ると3年かかる。僕がイチから作れば1年以内にできる」と断言し、見事それを実践したという。
早すぎる死は海外でも大きく伝えられた。米CNNテレビや英BBC放送はトップ級の扱い。SNSでは各国からファンの追悼メッセージが寄せられ、ライバルのソニー・プレイステーションの公式ツイッターでも「岩田さん、すべてに感謝します」と惜別コメントが発表された。
岩田さんは「ゲーム人口の増加」を最大のテーマに掲げ、5歳から95歳までの老若男女が楽しめるものを目指した。「ゲーマーと初心者の“差”がゲーム人口の減少につながっているという考えだった。操作の複雑なゲーマー向けソフトが乱発される現状に警鐘を鳴らしていた」(ゲーム業界関係者)
一方で各社が積極的にスマホ向けゲームへの参入を果たすなか、岩田さんは「利益重視の参入は自社のブランド力低下をもたらす」とノリ気ではなかった。結果、12年3月期から14年3月期まで3期連続の連結営業赤字に陥ることになり、岩田さんは参入を決断。今年3月に「DeNA」と資本・業務提携し、活路を見いだそうとしていた。
「6月の株主総会では経営方針に厳しい声も飛んだようだ」(同)
ゲームに生涯をささげた岩田さん。世界戦略という点でも、大きすぎる損失になった。
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