“テスラ市長”に引導が渡された! 任期満了に伴う千葉・市川市長選が27日投開票され、無所属で元衆院議員の田中甲氏(65)が初当選を果たした。米高級電気自動車のテスラ車導入や、市長室へのシャワー室設置などで全国ニュースとなり、大ひんしゅくを買った現職の村越祐民氏(48)は惨敗。その選挙戦は市政同様にカオスに陥っていた――。

「住んでいて恥ずかしい街、市川市」「テスラ市長にレッドカードを突き付けよう!」「また市長がテレビに出ているかと思ったら車の問題」と選挙中、各陣営から、激しい村越市政への批判が繰り広げられた。

 元衆院議員の村越氏は4年前に市長就任後、高額なテスラ車2台を公用車に導入するとして批判を浴びて2台目は断念すれば、市長室にはガラス張りのシャワー室を設置。ほかにも市長室への高額家具購入、会見のドタキャンなど問題は山積。自身を追及してきた急先鋒の市議に対しては、「職員にパワハラを繰り返した」と百条委員会の設置を求めるなどして、議会は紛糾し続けた。

 市長選では反市長派が次々と旗を上げ、村越氏を含めて6人の候補者が乱立した。当選した田中氏は、選挙ポスターに「私は悪いことはしません」と一筆を入れて、クリーンな政治を行うとアピール。同じく立候補した派遣社員の市川まみ氏(49)は「ガラス張りシャワーNO! 高級外車NO!」と訴えた。ネット上では「現職市長の供託金没収」が呼びかけられる事態にもなった。

 ただ村越氏も黙っていなかった。数々の騒動では、議会での説明や記者会見を避けていたが、選挙中に配られた政治活動ビラでは、「村越市長に主婦が直撃しました」として、テスラ車やシャワー問題などに言及。「(テスラ車は)価格とデザインばかりがマスコミに取り上げられた」「シャワー室は非常時に女性職員にセキュリティーのしっかりしている市長室を使っていただければと考えていた」「(マスコミに反論しないのは)そんな時間はありません」などと反論した。

 さらに同時に行われた市議補選には、虚偽の登記情報を届け出たとして電磁的公正証書原本不実記録・同供用罪で昨年、逮捕・起訴された、村越氏の私設秘書だった押切裕雄氏が立候補し、他陣営を驚がくさせた。

 押切氏の選挙ポスターには「悪いことはしません。現職・村越市長を支持」とプリントされ、四面楚歌の村越氏をサポートした形だが、有権者からは「ブラックユーモア過ぎる」とため息が漏れたのは言うまでもない。

 結局、フタを開けてみれば、“テスラ市長”の賛否をめぐって関心が高まり、38・75%の投票率は前回よりも約4ポイント上がった。そのうえ3位で落選した村越氏の得票率は、わずか9・9%。現職市長が供託金(100万円)を没収され、選挙にかかったポスターやチラシ、車・ガソリン代も自腹となる異例事態となった。
 市民は村越氏に怒りの鉄槌を下し、「テスラ&シャワー」の呪縛からようやく解き放たれる。新市長のもとで、まともな市政を取り戻すことができるのか――。