【深谷知広の競rin世界挑戦】東京五輪2021年開催に見逃せない問題

2020年04月07日 16時00分

世界選で現地の観客の方が撮影してくれた練習時間の深谷

 みなさんこんにちは、2020東京五輪の延期が決まり、移動制限もかかって暇を持て余している深谷知広です。

 新型コロナウイルスの影響により五輪の約1年の延期が決まりました。私の正直な思いは「本当に1年後に開催できるのか?」です。これから季節の変化でどうなるのか、ワクチンの開発から実用化までの期間がどれくらい早められるのか、などが重要なポイントになると思います。そして、事態が終息してから人間の回復とともに国の経済や医療の回復が本当に間に合うのかという不安があります。

 一方的な選手目線では、もちろん全員が今回の五輪に向けて全力で人生をささげて目指してきた自国で開催される一生に一度の世紀の祭典なので「2020年にやってほしい!」というのが本音です。ですが、スポーツは応援してくれる人たちがいて初めて成り立つもので、その人たちがいなかったらただの自己満足の世界になってしまうと私は思います。見てくれる人たちが全力で楽しんで応援できる環境が整ってから開催されることを望んでいて、21年の開催でも不安が残るということも確かです。

 そしてもう一つの心配事は20年を境にキャリアを終える予定だった人ももちろんですが、24年のパリ五輪を目指し、トレーニングに励んでいる次の世代の選手たちの1年間の立ち位置がどうなるのかということです。

 我々自転車競技トラック種目のナショナルチームで言うと、東京五輪を境に私を除くほぼ全ての選手が入れ替わる予定です。そうなると次の世代の選手たちは20年の夏以降、主力選手となり、秋からの大会で実戦デビューをして約4年間をかけてオリンピックを目指します。それが1年延期になることで、彼らの主力選手として活躍できる期間が1年減るとともに、下積み期間が1年増えてしまうことになります。これは我々が五輪への戦いを1年延期されるよりもさらに苦しみを伴う期間になると思います。

 コロナ対策で各機関大変な時期ですが、五輪候補選手の対応とともに次世代の選手たちのケアや対策案を考えてほしいです。

 とにかく私は目の前の現実を受け止め、今できることを全力で頑張りたいと思います。

☆ふかや・ともひろ=1990年1月3日生まれ、愛知県出身。169・8センチ、79キロ。桜丘高卒業。競輪のトップ選手で自転車競技の日本代表。

主な自転車競技歴=オーストラリアユースオリンピックフェスティバルのスプリント、チームスプリント優勝。第62回国民体育大会スプリント優勝。第15回アジアジュニア選手権大会スプリント、ケイリン、チームスプリント優勝。今年2月アジア選手権大会1Kmタイムトライアル優勝。

主な競輪実績=史上最速S級特別昇級(デビューから56日)、史上最速GI初優勝(2011年6月高松宮記念杯)、寛仁親王牌(14年7月)のGI・2勝。ルーキーチャンピオンレース(10年4月)、ヤンググランプリ(10年12月)、西王座戦(12年2月)、サマーナイトフェスティバル(14年8月)優勝。

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