いよいよ24日にSG「第23回チャレンジカップ」、GⅡ「第7回レディースチャレンジカップ」が開幕する。グランプリ、クイーンズクライマックスに向けた最終決戦の舞台はボートレース蒲郡。カウントダウン連載「航路を拓け!」最終回は、その蒲郡をホームとする磯部誠だ。
  
◇磯部誠(30)愛知105期

賞金5962万7000円・22位(22日現在)

 プライベートでも根っからの“勝負師”。他競技の投票券を積極的に買う。だから、ファンの気持ちは誰よりも分かっている。若手時代から「今日レース場に来てくれたお客さんのために一生懸命走る」というのがモットー。

 フライングで優勝の望みがなくなった後に2着5本を並べた2018年の浜名湖プレミアムGⅠヤングダービーが象徴だ。2走前のとこなめGⅠ67周年でも3日目の事故で予選落ちがほぼ確定しながら、集中力を切らすことなく、残る5走を全て舟券貢献。どんな状況下でもファンの支持に応えている。「土台のない選手だし、グランプリよりも、目の前の1走をしっかり走ることだけ」と大舞台を視野に捉えた現状でも信条は揺るがない。

 ただ、こうも続ける。

「選手として一番大事なのは賞金。勝率じゃない。そういう意味でグランプリに出たいというのはありますね」

 来年1月から適用される2021年前期勝率では7・97をマークして師匠の池田浩二を超えた。しかし賞金という点ではまだ師匠超えを果たせていない。チャンスがある以上、当然、1億円は狙っている。
 
 現在賞金ランク22位。勝負駆けの舞台となる蒲郡は7連続優出中で直近は2節連続V。「いいエンジンを引かせてもらっているというのもあるけど、この間、走った時につかんだ部分もある」とグランプリ出場権奪取に向けて準備万端だ。