脳科学者の茂木健一郎氏(59)が10日、ツイッターを更新。一部で報じられている安倍晋三元首相と「特定の団体」との関係に言及した。

 街頭演説中に銃撃され死亡した安倍晋三元首相については、犯人が特定の「特定の宗教団体にうらみがあった」「安倍元首相がその団体と関係があると思っていた」と供述していることから、一部メディアやネット上で話題になっている。

 これについて、茂木氏は自身の考えを語った動画を貼付し「その団体との関係が取り沙汰されているが、僕はバランスというの大事だと思う」とした上で「安倍晋三という政治家の時価総額というか、安倍さんが一日にしなければならなかったことを考えると、その中で特定の団体のことが重要なものだったとは思えない」と私見を述べた。

 さらに「ビデオメッセージを送っていたようですが、それは付き合いみたいなもので、年に一回、しゃべる時しかその団体のことを考えなかったのかしれないし、安倍さんには一国の総理として他に考えることがたくさんあった。保守の人たちとその団体の主義主張と共鳴する部分はあったのかもしれないが、それ以上でもそれ以下でもなかったと思う」と述べた。

 さらに「陰謀論は針小棒大というか、ごく一部分の事実、事実と思われるものを拡大解釈して、そこにあたかも巨大な構図があるかのように勘違いするのが陰謀論だと思う。ネットの書き込みや議論を見ていると悪い意味での陰謀論だと思う」と持論を展開。

 続けて「今回の安倍さんの特定の団体の関係があるというのは安倍晋三という人、私人としても政治家としてもその経験の全体からすると、本当にごくわずかだったのではないか。そのごくわずかなことを捉えてあたかも大きな意味がある、と言うのはバランスが欠けているし、バランスを欠いたことが思い込み、妄想がこのような悲劇を生んだことを考えると、バランスを考えることが大事だと思う」と語った。