歌舞伎俳優の中村勘九郎(40)、七之助(39)らが29日、「七月大歌舞伎」(7月3~24日、大阪松竹座)の初日を前に、大阪・ミナミの道頓堀で3年ぶりに行われた「船乗り込み」に登場した。

 色とりどりの幟や高張提灯に飾られた船に俳優らが乗り込み、川辺の人々にあいさつと口上を述べる江戸時代から続く夏の風物詩「船乗り込み」が、コロナ禍での自粛を経て3年ぶりに復活。中村鴈治郎、中村扇雀、片岡孝太郎、松本幸四郎、勘九郎、七之助、中村亀鶴、中村壱太郎、中村隼人、中村虎之介、片岡千之助、片岡松之助、中村寿治郎らが船に乗り込んだ。

 その後、松竹座で行われたあいさつで勘九郎は「大阪松竹座は6年ぶり。船乗り込みは父の襲名以来17年ぶりで、川岸から手を振って下さる皆さまの温かさに懐かしく、うれしく思いました。拍手、手ふりを力に変えて、ひと月いい舞台を務めていきたい」と意気込み。

 七之助は「私も兄同様6年ぶりの松竹座でございます。父が生きていたときはたびたび大阪に呼んでいただいたが、いなくなった途端に呼ばれなくなって。兄とともに、巡業で1日だけ大阪に来た時に『大阪に嫌われてるんじゃないか』とトークコーナーで言いまくったら、ようやく念願叶いました」と笑わせた。

 一方で、当初、船乗り込みに参加する予定だった人間国宝の片岡仁左衛門は、前日に体調不良のため欠席が発表され、七月大歌舞伎も初日から当面の間、休演する。

 息子の孝太郎は「本来ならば父がここにいるはずなんですが、体調不良でこのところ弱っております。ただ、本人とはこちらに来る前にも会いまして『ぜひ、(七月大歌舞伎の)期間中に戻る』と言っており、それをみなさまに伝えたくてここに参りました」と説明。孫の千之助は「祖父がいない舞台の寂しさもありますけれども、安心して戻ってきてくれるように少しでも精進できれば」と語った。