ウルトラマンの新キャラクター「マーライガー」の誕生秘話が12日、明かされた。

 ウルトラマンのテレビ放送開始と、日本・シンガポールの外交関係樹立が昨年55周年を迎えたことから、シンガポール政府観光局はウルトラマンをイメージキャラクターに起用。この日都内で行われたプレスイベントでは、シンガポールを舞台に怪獣たちが暴れまくる特撮ムービーが初お披露目された。

 その中でウルトラマンの味方で登場する新怪獣が「マーライガー」だ。そのビジュアルは昨年すでに公開されているが、イベントには生の姿(着ぐるみ)で初登場。ウルトラマンや怪獣たちと派手なアクションを展開し、暴れまくった。慣れないフォトセッションでは、尻尾で看板を倒したり、「左を向いて」と言われ右を向くなどアタフタ。だがおおむね行儀はよかった。

 モチーフになったのは、シンガポールの象徴的存在「マーライオン」。ムービーを制作した田口清隆監督は、インタビュー動画でその意外すぎる誕生秘話を明かした。

「今回(コラボ)用の新怪獣、てか『新キャラクターを出したいよね』っていう中で、ちょうど何年か前のウルトラマン(2018年の『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!!』)でシーサーの『グクルシーサー』って怪獣が出ていて…。ウルトラマンって、着ぐるみを改造して違う怪獣にするってのが伝統としてあったりするし、守り神って意味では共通点もあるから、逆にあえて改造怪獣で、しかもそれがマーライオンの怪獣ってのはとてもいいんじゃないかって話になって。シンガポールの顔と言えばアレだろうっていうことで」

 頭がライオン、体が魚のマーライオンは、口から水を吐く像で有名だ。50年前これを建てたのは、実は政府観光局。「シンガポールには宗教的キャラクターがあまりいないので、建国伝説をもとに空想上で作り上げた」(関係者)のだという。日本では泥酔状態を例えたり不名誉な扱いだが、現地では「海の守り神」として大事にされている。政府観光局のマスコットキャラ「マーリー」のモチーフにもなっているそうだ。