【直撃!エモPeople】「ギャルマインドで世の中を変える」という信念でビジネスを展開する異色の女性起業家がいる。「CGOドットコム」の総長のバブリーさん(25)だ。高校、大学を中退、家出、ギャル時代と、若くして波乱の人生を送った現役女子大生だが、編み出したのは企業や団体の会議にギャルを送り込み、ギャルマインドを注入するという一風変わった取り組み。その素顔に迫った。
大手企業の会議に場違いに思える金髪、ド派手衣装、メークのギャルが参加している。ルールは①役職を隠す②敬語禁止③あだ名で呼び合う④5分以上沈黙しない。リアクション多め⑤一番派手な服で参加――だ。
「それ、めっちゃイイじゃん」「マジ、ウケるんだけど~」
ギャル語が飛び交い、場が明るくなると、堅苦しさはなくなり、上司の顔色をうかがっていた部下からも新しいアイデアが出てくる。それが「CGOドットコム」が進める「ギャル式ブレスト」事業だ。ギャル関連の商品開発ではなく、あくまでギャルマインドを引き出すのが目的。出席者からは「会議でこんなに笑ったのは初めて」「こんなにホメられたことない」との声が上がっている。
きっかけは総長(代表)のバブリーさんが元ギャル男の大手企業サラリーマンの「大企業に入ってギャルマインドを失っていた。上司に忖度し、部下には気を使うし、自分を表現しづらい」という嘆きを聞いたことだった。
「ギャルは忖度しないし、信念を曲げないし、ポジティブでホメ上手。男女、ジェンダー問わず、そのマインドはもともとみんな持っているものなのに、会社の肩書やしがらみで、発揮できていない。ギャルが会議に入ることで、抑圧された情熱を引き出すことができます」
ギャルにこだわるのは自身の体験から。両親とも教師の家庭で生まれ、優等生として育ち、地元山梨県の超進学高に入学したが、初日に「東大へ行け」と言われ「はぁ?」と違和感を感じた。自分の人生が誰かに決められるのは嫌だと感じ、遅れて来た“中二病”の反抗期もあり、高2で中退した。
出会い系サイトで知り合った大阪の同世代男子の元へ遊びに行くようになり、大阪へ家出。その周囲にいたギャルたちは公園で敵対するグループと殴り合いするような熱い娘たちで、抗争の理由は「チクビというグループ名を両方が名乗っていてその奪い合い」だった。
「それまでの自分の人生では考えられないほど衝撃でした。グループ名という本当はどうでもいいのに、貫きたい信念、独自の価値観を持っているのがカッコよかった」
自身も仲間入りし、4年間ギャル生活を送ると、ギャルの才能に気付いた。「頭いいし、コミュ(ニケーション)力高いし、私の状況もわかったうえで救われた。強さをもらって、どういう自分になりたいか、自分の表現もできるようになった。だから、いつかはギャルに還元したいと思っていた」
そこから猛勉強し、偏差値を36から62まで上げて大学に進学。再び中退し、現在の立教大に入った。そのころ、ギャル向けだったアパレル企業が「ギャルは絶滅したので路線変更する」という記事を見て「そんなはずはない」と動きだし、ギャルカフェや評論家、雑誌編集長、前出の元ギャル男などと知り合った。
「その時は私自身、外見はギャルを卒業してたので、最初は『お前、ギャルじゃないのにギャル語るな』と怒られましたが、ギャルを尊敬し、良さを世の中に広めたいと説明したら、共感してくれた」
ビジネスは多くの賛同を得て、最も価値のある事業を行ったとして「QWS AWARD2020」を受賞。企業のほか、地方自治体などからもオファーが来ている。
「今は無駄なものと思われているものが数年後に必要になることもある。おバカな意見でもいいじゃん。そこから生まれるのがイノベーションの種になる。ギャルがカルチャーやモデルではなく、ビジネス上の職業、ポジションとして確立できればいいなと。夢はハリウッドで世界進出。ギャルマインドの映画が作れれば最高ですね」
紆余曲折を経たからこその強さがみなぎっている。
☆バブリー(本名・竹野理香子の竹と理香子が由来)1996年5月8日生まれ、山梨県甲府市出身。県内トップクラスの進学高を2年で中退。大阪へ家出し、4年間ギャル生活をした後、日本大学商学部入学、中退。立教大コミュニティ福祉学部在学中の2020年「CGO(チーフギャルオフィサー)ドットコム」設立。企業や団体にギャルを派遣する「ギャル式ブレスト」事業を展開。「QWS AWARD2020」グランプリ受賞。今春の卒業後は副業に理解ある大手企業に就職し、事業展開も行う。












