昨年の「M―1グランプリ」で、49歳と42歳にして初めて決勝進出を果たしたお笑いコンビ「錦鯉」の長谷川雅紀(50)と渡辺隆(43)が先月、初の自叙伝「くすぶり中年の逆襲」(新潮社)を発売した。本紙のインタビューに応じた2人は、長かった不遇の時代を振り返るとともに、2年連続の決勝進出を果たした今年のMー1に懸ける意気込み、さらには“自叙伝の映画化”という壮大な夢も明かした。

 ――長谷川さんは北海道で芸人を始めた

 長谷川 タカアンドトシが同期ですが、ずっとお世話になりっぱなし。去年、M―1の決勝行った時はホントに喜んでくれて、タカなんて決勝の日まで毎朝、「体調、大丈夫か?」ってLINEをくれた。トシは決勝当日、娘さんと一緒に撮った「頑張ってね」って動画を送ってくれて、泣きそうになりました。

 ――ブレークして収入も増えた

 長谷川 一昨年の芸人としての年収は、1人32万円でした。それが今は、1か月で稼げるようになりましたね。

 ――今年のM―1は吉本興業以外から4組が決勝進出

 渡辺 モグライダー、ランジャタイ、真空ジェシカはよくライブで一緒になった。ちょっと前なら全組出るライブを1000円で見られたのに。

 長谷川 なかの芸能小劇場とか新宿バティオスでね。モグライダーなんて4日連続、ライブで一緒になったことがある。

 渡辺 出るからには優勝したい。去年は決勝でネタをやれたら満足だろうと思ってたけど、実際に負けたら悔しかった。マヂカルラブリーの優勝を後ろから見たし。

 長谷川 暫定ボックスにも行けなかったので。

 ――優勝して1000万円取ったら

 長谷川 やりたいライブがあるんです。昔、われわれが面白いと思う芸人を集めて「怪獣大戦争」っていうライブをやったんですけど、それをパワーアップして「大怪獣大戦争」というライブ。規模をデカくして、東京ドームとかで。面白いけど、まだ見つかってない芸人を呼んでやりたい。

 渡辺 僕は何も考えてないけど、賞金を溶かしたいな~。風俗とかキャバクラで。気付いたら1000万なくなったという感じ。それでまた取りにいく。

 長谷川 僕らは芸歴は長いけど、コンビを組んでからはまだ9年。M―1はあと6年、僕が56歳まで出られるので。

 ――今、北海道を盛り上げている日本ハムの新庄剛志監督は、長谷川さんと同い年

 渡辺 新庄さんは歯も髪もあって、真逆ですけどね。

 長谷川 僕も北海道を盛り上げたい気持ちはある。新庄さんが去年、トライアウトを受けたころに僕らも決勝に行って、お互いに「中年の星」みたいに言われたので、話してみたいですね。

 渡辺 北海道で何か番組を持てないかな? 毎週ススキノに行けるし。

 ――ススキノで1000万溶かす?

 渡辺 いや、東京のお店にも貢献したいので。

 ――長谷川さんは結婚を考えている彼女がいる

 渡辺 でも全然会ってないらしいです。

 長谷川 大阪在住で、最後に会ったのが一昨年の5月。

 渡辺 今、待ち合わせしても顔が分かんないでしょ?

 長谷川 でもLINEで連絡は毎日取ってます。付き合った時から結婚の話はしてる。「携帯がファミリープランになるね」とか。

 ――本が売れたら印税も入る

 長谷川 本は売るだけでなく映画化を目指してます。49歳で初のM―1決勝は漫画を超えてますから。大谷翔平の二刀流を誰も漫画にしなかったのと一緒で。

 渡辺 大谷と一緒にすんなよ!

 ――映画になったら、本人役で出演

 長谷川 いや、もうキャストは考えてます。僕の役はニコラス・ケイジ。隆は松坂大輔さん。

 渡辺 ちょっと似てるだけだろ!

 長谷川 でも見たいでしょ? ニコラス・ケイジが「こんにちは~」と言って、松坂さんが頭をひっぱたくところ。

 にしきごい 立ち位置左・長谷川雅紀、1971年7月30日生まれ、北海道出身。吉本興業札幌事務所1期生で94年デビュー。立ち位置右・渡辺隆、1978年4月15日生まれ、東京都出身。東京NSC5期生で2001年デビュー。12年に錦鯉を結成。昨年の「M―1グランプリ」で“史上最年長ファイナリスト”として4位になり、大ブレーク。“中年の星”と言われた。ソニー・ミュージックアーティスツ所属。