米人気ロックバンド・エアロスミスのボーカリスト、スティーヴン・タイラーに対して2022年に起こされた性的暴行訴訟の大部分が、ロサンゼルスの裁判所で棄却された。米誌ピープルが29日、報じた。

 28日に裁判所に提出された文書によると、裁判官は、原告のジュリア・ミスリーさんがタイラーに対して起こした訴訟について、1970年代に彼女が十代だった時期にタイラーと性的関係を持ったとされる様々な主張を含め、1つの主張のみを審理対象とすることを決定した。

 タイラー氏の弁護士であるデビッド・ロング・ダニエルズ氏は「これはスティーヴン・タイラーにとって大きな勝利です。本日、裁判所はこの訴訟におけるタイラーに対する訴えの99・9%を棄却しました。裁判所は、3年間の交際期間のうち、50年以上前のたった一夜の出来事のみを証拠として認めるという判断を下しました。8月31日の裁判を楽しみにしています」との声明文を出している。

 訴状によると、ミスリーさんの訴訟(性的暴行および意図的な精神的苦痛を主張)に残っている精神的苦痛の主張は、74年に彼女が16歳だった時、カリフォルニアのホテルと公共のジャグジーでタイラーが性行為をしたという申し立てを中心としている。訴状では75年6月までに2人は「婚約し、子供を授かり、マサチューセッツ州で同棲していた」と主張されている。

 2024年に裁判所は、タイラーが回顧録を出版したことでミスリーさんが精神的苦痛を受けたとする彼女の訴状の一部を却下する判決を下している。

 ミスリーさんは22年12月に最初に訴訟を起こした後、タイラーは、回顧録は表現の自由であり、彼の著作には彼女を特定する記述がないため、回顧録を精神的苦痛の原因として利用することはできないと主張して反論した。

 タイラーは法廷で、ミスリーさんが22年まで訴訟を起こさなかったこと、そして自身の回顧録が97年と11年に出版されたことから、彼女の意図的感情的苦痛誘発(IIED)の訴えは2年の時効によって却下されるべきだと主張した。また、タイラーの回顧録は「ニュース性のある自身の人生における経験を伝えている」ため、彼女の訴えは合衆国憲法修正第1条によって却下されるべきだと主張していた。

 ミスリーさんは当初、訴訟でタイラーの名前を挙げていなかったが、彼女の主張は、タイラーが11年に出版した回顧録「ダズ・ザ・ノイズ・イン・マイ・ヘッド・ボザー・ユー?」の中で、16歳の少女との関係について述べた内容と一致していた。ミスリーさんはその後、追って提出した声明でタイラーの名前を挙げていた。