取りあえず公務復帰だが…。過度の疲労で入院し、退院後はテレワークをしていた小池百合子東京都知事が21日に公務復帰となるが、何を話すかに注目が集まっている。小池氏をめぐっては重病説や辞任説など臆測が先行していた。都民ファーストの会関係者は「発信が何もなかったことで臆測を呼んでいた。本人がしっかり説明するのが大事だ」と疑惑払拭を求めた。

 東京都によると小池氏は21日の全国知事会に出席するために登庁する。同会はオンライン形式で行われる。

 小池氏は10月27日に過労により入院し、今月2日に退院。その後はテレワークをしているとされていたが、姿を見せないことから“重病説”が取りざたされるなど臆測を呼んでいた。18日には一部報道で「肺の疾患で辞任を検討している」と流れた。

 都民ファーストの会関係者は「永田町や自民党が出どころの小池氏に関する情報がこれまで正しかったことはない。密約説とか国政転身とか結局なかったじゃないですか。自民党の某都議がペラペラと適当なことを話しているとも聞きましたよ。小池氏のことを彼が知っているわけないでしょ。私だって病気だとか辞任だとか聞いていない」とうんざりした様子で語った。

 実際は退院の翌週からテレワークを開始。都幹部によると、オンラインで副知事らを中心に報告や指示などのやりとりを続けていたという。

 都によると、小池氏は体調が回復し、医師から通常通りの公務が可能との診断を受けた。本格復帰に当たっての記者会見などを開くかどうかは今後検討する。

 しかし、病気や辞任の可能性を否定しきれない面もある。なぜなら小池氏が何も話していないからだ。「これまで小池氏が何も発信していなかったので健康不安説が出ることは仕方がないこと。21日はぜひ本人がぶら下がり取材に応じるなどして説明をした方がいいと思います」と、前出の関係者は小池氏自らが健康不安説や辞任説を吹き飛ばすべきだと訴えた。

 突然の公務復帰には都庁の焦りもあったとささやかれている。都政関係者は「急に公務が設定されたのはやはり辞任説の報道があったからでしょう。小池氏というより、都庁が打ち消しのために動いたのではないか。復帰はFNNが『独自』と打って報道しましたが、担当記者に関係者が耳打ちしたのでは?」と指摘した。

 都のトップがいつまでも表に出てこないままでは体裁が悪いという事情もあるだろう。

「知事周辺がこれまで何のフォローもしてこなかったのも気になります。本人のコメントを出していれば、臆測は防げたはず」(前出の都政関係者)

 小池氏は今年6月22日にも同様に過度の疲労から入院し、同30日に退院。その後も東京五輪・パラリンピック開催や新型コロナウイルス対策などの懸案が相次ぎ、記者会見やモニタリング会議などで、せき込む場面がたびたび見られていた。

 いずれにせよ小池氏本人が21日に何を話すかが重要。都議選の時のように“小池マジック”で周囲を驚かせるのか、それともやはり…なのか。