まん延防止等重点措置中に政治資金パーティーを発起人として開いていたとして批判された、日本医師会の中川俊男会長(69)にまたまたスキャンダルだ。20日発売の「週刊新潮」が、昨年8月に中川氏が女性と〝すしデート〟をしていたと報じたのだ。当時の中川氏は「我慢のお盆休み」を国民に要請していた。関係者からは「そもそも日本医師会は、自粛のお手本になるような組織じゃない」と厳しい指摘が出ている。

 中川氏は日本医師会のトップとして連日のように記者会見を開き、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、〝医師の代表〟として国民に対して自粛を強く要請してきた立場だ。ところが4月20日に東京都内で行われた、自身が後援会長を務める自民党の自見英子参院議員の政治資金パーティーに、日本医師会幹部ら約100人とともに参加。自ら自粛破りをしてひんしゅくを買った。

 それだけでなく、昨夏には女性とすしデートにしけこんでいたというからあきれるしかない。週刊新潮によると昨年8月25日、客単価2万円を超える高級すし店で、ショートヘアで細身の40代とおぼしき女性と食事を楽しんだという。

 店内は満席で、カウンターの席と席との間にアクリル板もなかったというから、コロナ対策は満足なものでなかったといえるだろう。その店で中川氏と女性は、マスクを外してお酒もたしなみつつ、1時間半ほど食事を楽しんだという。

 週刊新潮の直撃に対し中川氏は、すしデートについて「記憶にないな」と話しているが、もし事実なら、中川氏の〝自粛破り〟は、昨日今日の話ではなかったわけだ。

 国民に自粛を訴えている立場なら、本来は自らが率先して自粛の手本とならなければいけないはず。2週続けての醜聞発覚にネットでは「自分だけは特別ということか」「飲食店の人たち。もう自粛しなくていいよ」「自粛の呼びかけは、何だったのか」「自粛なんて不要で普通に生活して大丈夫とアピールしてくれてありがとう」と怒りを通り越してあきれ果てる声のオンパレードだ。

 それにしても日本医師会のトップにもかかわらず、どうして中川氏は自粛破りをしてしまったのだろうか?

 医療団体に勤めていた元業界関係者は「そもそも日本医師会は『利益団体』で、自分たちの利益のために活動している側面を持っています。国会議員とつながり、国会で自分たちにとって有利になる制度や法律を作ってもらうことが目的です」と指摘した。

 中川氏が後援会長をしていることでも分かるように、自見氏は日本医師会がバックにつく〝お抱え議員〟。これまでも日本医師会は、日本医師連盟という政治団体を通じて国会議員を永田町に送り込んできた。〝日本最大の圧力団体〟と揶揄されることもあるほど大きな力を持っている。

「日本医師会はあくまで自分たちの利益のための団体であって、国民のお手本になれるような団体ではありません。中川氏が国民に自粛のお願いをしていること自体、変だと思っている人も多いのでは? 自分たちの利益を求める組織のトップが、自分の楽しさを優先して自粛破りをすることは、考えてみれば当たり前のことなのでしょう」(前出の元業界関係者)

 中川氏は19日、日本医師会会長として記者会見を行ったが、途中で退席してしまった。これでは政治資金パーティーへの出席や、すしデートについて追及されることから〝逃げた〟と言われても仕方がないが…。