一律6万円はやっぱりおかしい――。ミシュラン三つ星シェフらで作る一般社団法人「食文化ルネサンス」が20日、「コロナから飲食業を守る! 緊急会見」を行い、現在の時短要請に伴う協力金への要望を訴えた。

 服部栄養専門学校の服部幸應理事長は「このままいったら、本当にどんどん店を閉めないといけない現状に立たされている」と窮状を訴えた。現在、1店舗一律6万円となっている協力金は「大規模店、複数店舗を運営する事業者にとっては不平等。協力金は売り上げや席数に応じた補償にすべき」と、団体として自治体に要望した。

 現在の緊急事態宣言下の協力金については、飲食業大手には支給されていなかったことから不満が上がり、18日には東京都の小池百合子知事が一転して支給を表明するなど、混乱が続いている。

 都の調査によると、時短要請に応じている繁華街の店舗は95%に上り、協力金が一定の効果を示しているものの、飲食業界からは悲喜こもごもの声が上がっている。

 都内の飲食店経営者は「今は飲食業界が、大規模店と小規模店で真っ二つに分かれている。6万円もらっても経営が追いつかない大箱は、営業時間を早めて午後8時までに少しでも売り上げを伸ばそうとしているが、バーやスナックなど小さな店は『休んだ方が儲かる』と休んでいる。みんな平等にするためには家賃や席数、前年度の売り上げなどに応じた支給額にすべき」と言う。

 それができないのは自治体側の怠慢との指摘もあるが、ある行政関係者は「支給額をどう決めるかは国や自治体トップの決断次第だが、コロナ禍での給付金はスピードが最重要。店舗ごとに細かい計算をするとなると、時間がかかるのが欠点なんです」と話す。

 政府の時短・休業命令に従わない店への50万円の過料とする法改正の動きや、ランチ自粛の呼びかけについても、冒頭のシェフらは「罰則の前に政府として、飲食店の営業ガイドラインを示してほしい」としている。