スクウェア・エニックス制作で、280万本売り上げた人気ゲーム「ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁」を元にし、俳優の佐藤健(31)が主演声優を務めたアニメ映画「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」(昨年8月公開)が、訴訟沙汰になった。朝日新聞が26日に報じた。

「ドラクエⅤ」は1992年にスーパーファミコン用ソフトとして発売された。これを元に、作家・久美沙織氏が小説を書き、93年に出版。ゲームでは主人公の名前はプレーヤーが決めるが、久美氏は小説で主人公の名前を「リュカ」にした。

 それから四半世紀がたち、佐藤や女優の有村架純、波瑠といった豪華キャストが声優として集結したのがアニメ映画「――ユア・ストーリー」だ。同作でも主人公の名前はリュカ。その声を佐藤が担当した。

 ただ、久美氏は事前にリュカの名前を使われることを知らされなかったという。説明を求めても、スクエニ側は小説上の名前だったリュカを映画で使用することは著作権の侵害に当たらないと主張した。

 そこで久美氏は今月24日、スクエニや配給の東宝などを相手取り、200万円の損害賠償などを求めて長野地裁佐久支部に民事提訴。争点は、主人公の名前の著作権が小説家にあるかどうかだ。

 スクエニは著作権の管理に厳しいとされる。一連のトラブルは昨夏から起きており、これを佐藤らキャスト陣も把握していた。

「佐藤さんはリュカのアフレコに相当苦労し、収録を終えると倒れこむかのように疲労困ぱいだったんです。かなり入れ込んだ仕事でもあった。その作品のトラブルが公開から1年以上たっても解決していなかったことに驚き、困惑しているようです」(知人)

 今後始まる民事訴訟は、どういう決着をみるのだろうか。