女優・のん(27)が、業界関係者から〝熱視線〟を送られている。のんは24日に都内で映画「私をくいとめて」(12月18日公開)の上映イベントに出席。同映画は、コロナ禍で変則開催となった今年の「第33回東京国際映画祭」で、唯一の賞として設定された「観客賞」を受賞した作品だ。のんは女優として自信を深めているが、実は演じること以外にも大きな注目を集めている。それは、歌手として「あまちゃん」ファミリーを集結させたからだ。


 この日、のんは大九明子監督とともに登壇した。同映画は、脳内の相談役〝A〟に日々悩みを相談しながら、おひとりさまライフを気ままにエンジョイする31歳の会社員みつ子(のん)が、年下の営業マンに恋をしてしまう物語。作家・綿矢りさ氏の同名小説が原作。

 今月9日には「第33回東京国際映画祭」観客賞を受賞したばかり。MCから改めて受賞の感想を聞かれたのんは「映画は観客の方がいて出来上がるので、すごくうれしかったです。(受賞を聞いた瞬間)うわ~って感動が押し寄せてきました」と笑顔を見せた。

 映画関係者が言う。

「今回、観客賞を受賞したことで、女優として相当な自信になったそうです。映画を見た綿矢さんも、のんの演技力にうなったそう。コンスタントに仕事も入っているようですし、この年代としては、のびしろがある女優の一人ですよ」

 だが、業界関係者が注目しているのは女優業だけではない。歌手としての、のんもマークしているという。

「2017年にのんが代表を務めるレーベル『KAIWA(RE)CORD』を立ち上げ、精力的に音楽活動を行っています。今年はミュージシャンの大友良英、Sachiko Mとユニット『のんとも。M』を始動しました」と音楽関係者。

 大友は、のんの出世作となったNHK連続テレビ小説「あまちゃん」の音楽を担当。挿入歌の「潮騒のメモリー」は大友とSachiko Mが共同で作曲し、日本レコード大賞作曲賞を受賞した。

 まさに「あまちゃん」がつないだ縁で誕生したユニット。クリスマスイブの12月24日には初のフルアルバム「ショーがはじまるョ!」をリリース。その中に、坂本九さんの名曲で、2001年に吉本芸人のユニット「Re:Japan」が歌ってリバイバルヒットした「明日があるさ」も収録されており、先行公開された。

「ゲストボーカルにそうそうたるメンバーが名を連ねています。『あまちゃん』で共演した小泉今日子、渡辺えり、片桐はいり、尾美としのりらです。『あまちゃん』人気はいまだ根強く、もちろん『明日があるさ』も日本中が知っている曲。〝のんバージョン〟に対する期待は大きい。のんはNHKのお気に入りですし、大ヒットとなれば来年の紅白歌合戦出場も見えてくる」(前同)

 現状では歌手よりも女優としての色が強いのんだが「明日があるさ」はそれを覆すだけのパワーを秘めている。