異例のCM継続は実現するのか? 俳優・三浦春馬さん(享年30)が18日に急死したことを受け、出演契約中のCMが放送を休止している。人材派遣会社「グロップ」(岡山県)のCMで、同社がスポンサーを務めるサッカーJ2・ファジアーノ岡山のホームスタジアムなどで流され、岡山で広く認知されているものだ。自殺の衝撃もあり、今後の放送継続は厳しいとみられているが、地元では継続を熱望する声が出ているという。

 三浦さんの急死の衝撃は、いまだ各方面に及んでおり、10本以上の作品に影響している。

 ドラマでは、準主演で9月開始のTBS系「おカネの切れ目が恋のはじまり」はすでに3話ほど撮影済みだが、代役の選考は難航し、お蔵入りの危機に直面。舞台では主演ミュージカル「イリュージョニスト」(12月~来年1月、東京・日生劇場)が、代役を立てて決行できるか微妙だ。

 映画では、すでにクランクアップした主演映画「天外者(てんがらもん)」が新型コロナウイルス禍で公開時期を検討していたが、主役の急逝で封切りできるか不透明になった。他にもドラマや映画で出演作品が多数控えていた。

 CMにも多数出演してきた人気者だった。

「三浦さんのCM1本のギャラは2000万円以上(推定)。高い演技力とクリーンなイメージでクライアントから好感を得ていました。これまで三菱UFJ銀行や資生堂といった大企業のCMに出演。でも、近年は露出は控えめで、現在契約が残っているのは岡山県の人材派遣会社『グロップ』。地元岡山でローカル放送されていました」(広告代理店関係者)

 同社は、岡山が誇る企業ベネッセコーポレーションからノウハウを受け継ぎ、人材派遣事業などを展開。サッカーJ2岡山のユニホームの胸スポンサーを務めている。

 同社のCMには過去に、タレントでミュージシャンのDAIGOや“岡山の星”である女優の桜井日奈子らが登場した。

 昨年8月から三浦さんが出演。華やかなミュージカル調のCMで、白のスーツと黒のワイシャツでフォーマルに決めて、ポップに歌い激しくダンスしている。

「新しい自分との出会い~1人じゃないよ」と歌っているが、孤独を抱えて自殺したとされるため、「1人じゃないよ」の歌詞が今となっては“むなしく響く”と広告業界でいわれている。

「三浦さんは岡山県民にとっては“グロップの人”。岡山県出身と言えば大人気のお笑いコンビ『千鳥』が有名ですが、三浦さんは県民の間でも広く親しまれていました。最近では、今月10日のサッカーJ2岡山のホーム戦(対北九州)でスタジアムの大型ビジョンで放映されました。でも、死去翌日の19日のホーム戦(対長崎)は慌てて放映を差し控えたようです」(同)

 広告業界では後追い自殺などの影響を考慮し、自殺したイメージキャラクターのCM継続は厳しいが、三浦さんのファンや岡山県民からはそれを望む声が大きいという。

 グロップの担当者は、哀悼の意を述べた上で、現在放送を見合わせているといい、今後は「社内で協議しています。事務所さん(アミューズ)ともこれから詳細を確認します」と説明するが…。