東京都知事選挙では、業界内でタブー視されていた芸能人の政治的な発言の流れが加速した。

 都知事選の投開票日の5日、ツイッター上ではハッシュタグで「都知事選を史上最大の投票率にしよう」というツイートが拡散。小泉今日子は「投票してきました」とツイートした。

 午前中には指原莉乃が「投票うぃってお散歩してきた ザ☆ピースがある時代に生まれたことに感謝と喜びが止まらない」と伝え、芸能人らが投票を済ませた報告を行った。

 今回の都知事選は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて発令された緊急事態宣言が解除された後、再び都内での感染者数が100人を超える状況下で行われた。

 モデルのラブリは4日、インスタグラムに「LET’S GO VOTE」(投票に行こう)と書かれた写真を投稿。「投票する瞬間って、私にも権利があるんだって実感することができるよ。投票をしてこなかった人が投票するとどれほど変わるか知ってる?」と投票を呼びかけた。

 かつて芸能人がSNS上で政治的発言をすると「何も知らない芸能人が口出しするな」「歌だけ歌っていろ」などと心ない批判が相次ぎ、炎上することも多かった。しかし、検察庁法改正案では多くの芸能人が意見を表明し、結果的に廃案になるなど、風向きは変わってきた。

 芸能プロ関係者は「そもそも米国では芸能人が政治的発言をするのは当たり前で、日本も徐々にそうなってきた。またコロナ禍で仕事が激減した芸能人も多く、率直な思いをつづっているという側面もあるのでは?」と指摘。

 影響力のある芸能人のツイートは今後も増えそうだ。