ブラが隠れて満足ですか? 女性候補5人が争う東京・北区都議補選(5日投開票)で、アベノマスクブラのポスターが物議を醸したホリエモン新党の“ゆづか姫”こと新藤加菜氏(27)が1日、ポスターのブラ部分を隠す修整を余儀なくされた。ネット上で誹謗中傷にさらされ、立花孝志党首(52)が「第2の木村花さんにしてはいけない」とタオルを投げ込んだが、新藤氏の心の内は――。 

 女性候補が火花を散らす“女の戦い”は場外戦でも女性をテーマに大論争が起きた。新藤氏がアベノマスクをブラジャー代わりにしたポスターを選挙掲示板に張ったことで、ネット上で新藤氏への非難が飛び交った。

 中でも共産党の池内沙織前衆院議員(37)は怒り心頭で、「女性を差別し続け性的に消費し続けるという宣言と受け取った」とツイッターで激しく批判した。

「#選挙を使ったセクシュアルハラスメントに抗議します」のハッシュタグで拡散するように呼びかけ、「#検察庁法改正案に抗議します」を再現するかのようなうねりをネット上でつくり上げようともしていた。

 袋叩きに遭った新藤氏にはSNSで「死ね」「消えろ」「脱げ」などといった心ない誹謗中傷も殺到した。これに対して立花氏は「アベノマスクブラは政治に無関心な若者に、こんな税金の無駄遣いをしているというのを発信するために、票が減ると分かっていながら、あえて彼女がやっていた。にもかかわらず非難されるのは悲しいし、第2の木村花さんにしたくない」とポスターのブラ部分にシールを貼って、修整する作業を指示した。

 肝心の新藤氏は、無念の思いでいっぱいだ。

「批判してきた人には『これで満足ですか?』と言いたい。私が主体的にやったことなのに、女性の自主性を否定することになるというのが意味が分からないし、人権侵害とまで言われた。私のポスターがハレンチということは否定しないが、主体性とか人権とか小難しい話をしながら支離滅裂なことで、ただ批判したいだけ。話が通じないので精神的に参っているというか、疲れている」

 ニコニコ動画では、10年以上にわたって人気配信者として活動してきただけに、アンチや誹謗中傷には慣れているともいうが「ネットなら何を書いてもいい、無秩序でいいのかというのがあって法学部(早稲田大)を選んだバックグラウンドがある。誹謗中傷に対し、今回の件で問題提起できたと考えたい」とも訴えた。

 この種の抗議に対しては、徹底抗戦する立花氏が、今回は珍しく折れた形だが、ポスターにシールが貼られ、胸の部分が隠されたとなれば、逆に意味深で、目立つような気も…。新藤氏は「絶対にシールをはがさないでくださいね!」と呼びかけるのも忘れていなかった。