れいわ新選組の山本太郎代表(45)が15日に東京都知事選(18日告示、7月5日投開票)への出馬を表明したが、早くも深刻な選挙資金不足でピンチに立たされている。

 国会内で行った会見で、来年に延期された東京五輪・パラリンピック大会の中止や、総額15兆円で都民の新型コロナウイルス損失を徹底的に底上げするなど、8つの緊急政策を打ち出した山本氏。

 かつて自由党で同じ釜の飯を食った、師弟関係にある小沢一郎氏や国民民主党の玉木雄一郎代表からの応援については「力を貸してくれるなら、お受けしたい」とした。

 問題は長丁場となる選挙戦だ。新型コロナの影響で、山本氏の持ち味が発揮できる街頭活動が困難となる。投票所も3密対策が必要となるだけに、頼みとする無党派層が投票に行かないことも予想される。

 そのうえ問題は選挙資金不足。出馬表明前から指摘されていたが、山本氏は「選挙資金は寄付をベースにやっていきたい。都知事選の資金は3億円はかかります。われわれは1億円に手が届くかどうかの額ですかね…」と苦しい状況を明かした。

 山本氏の選挙戦は、俳優として映画やテレビドラマで活躍した知名度をいかに生かせるかにかかっている。

「山本氏は、豊洲市場の移転問題や(五輪)ボート会場の宮城県移転騒動で都民の怒りを買った小池氏のパフォーマンス票を、大量に取り込めたらいいのですが…」(ある自民党都議)

 小池氏が推し進める東京五輪の来夏開催は困難だとし、「開催都市がきっぱり『やめる』と宣言する」と主張した山本氏は「狙うのは選挙に興味がない人たちだ」と言う。果たして小池氏とガチ勝負に持ち込めるか。