藤井七段が過密日程下の王座戦で今期初黒星 棋聖戦相手も超過酷

2020年06月11日 17時00分

藤井七段

 将棋の現役最年少棋士・藤井聡太七段(17)が10日、大阪市の関西将棋会館で行われた第68期王座戦2次予選で大橋貴洸六段と対戦し、110手で敗れた。今期初黒星を喫した藤井七段は挑戦者決定トーナメント進出を逃した。

 藤井七段は現在、第91期ヒューリック杯棋聖戦で渡辺明3冠(36=棋聖、棋王、王将)に、史上最年少でタイトル挑戦。大きな注目を浴びた8日の5番勝負第1局では見事な指し回しを見せ、“現役最強”と言われる渡辺3冠に勝利した。

 藤井七段は今月2日、4日、8日、10日と過密日程の中で戦い続けている。これは新型コロナウイルス感染拡大の影響で、100キロ以上の移動を伴う対局が5月末まで行われなかった影響。今月に入って移動を伴う対局は再開されたが、その分、過密日程になっているのだ。

 棋聖戦第2局は28日に行われるが、その間にも20日に師匠・杉本昌隆八段と竜王戦3組決勝で対戦するなど、多くの対局が組まれている。そのため「大橋六段に負けたのは過密日程のせい」と言われているが、実は渡辺3冠の方がもっと厳しい日程を強いられている。

 渡辺3冠は10日から、豊島将之名人(30=竜王との2冠)に挑戦する名人戦7番勝負に挑んでいる。名人戦は2日制で、第1局の終局は通常なら11日の夜となる。肉体的にも精神的にも、疲労は1日制の比ではないという。

 名人戦は例年4月に開幕するが、新型コロナの影響で今年は6月にズレ込んだ。その影響で渡辺3冠は、28日に行われる藤井七段との棋聖戦第2局の前に名人戦第2局(18、19日)、第3局(25、26日)をこなさねばならない。藤井七段どころではない“超過密日程”となっているのだ。

 渡辺3冠は戦前、「藤井聡太七段の初めてのタイトル戦という、間違いなく将棋史に残る戦いに出場することに大きなやりがいを感じています」と話していたが、その言葉にたがわぬ熱戦になるのは間違いない。