今夏、吉本興業所属芸人らの闇営業問題に関連して“加藤の乱”が勃発した。「極楽とんぼ」加藤浩次が「スッキリ」(日本テレビ系)の生放送で吉本の大崎洋会長、岡本昭彦社長を批判した上で、自身の進退と引き換えに辞任を迫ったというものだが、結果的に全員が残留となった。外野から見ると、加藤は吉本の軍門に下った形であり、そのせいでネット上では“狂犬”という異名から“チワワ”に格下げされてしまったのだが…加藤の本心はどうなのか? 

 生放送で会社幹部を批判する加藤の姿は衝撃的だった。特に岡本社長はあのグダグダ会見のせいでバッシングされた直後だっただけに、世間は完全に加藤の味方についたのだが、吉本幹部が退陣しないにもかかわらず残留を表明すると、世論は一変した。「加藤が提案した専属エージェント契約の導入に吉本が前向きな姿勢を見せたから」と残留理由を説明されても、一向に風向きは変わらない。あれから“チワワ加藤”とやゆされるようになってしまった。

 加藤に近い関係者はこう話す。「加藤は吉本の現執行部の派閥ではなく、もともと良好な関係ではなかった。岡本社長の会見を見て本気で腹が立ち、それが一夜たっても収まらずに生放送で爆発してしまった。執行部が退陣しないと吉本を辞めると言ったが、今でも本人はいつ辞めてもいいと思っている。大崎会長にエージェント契約を提案したところ、それが認められたから残っただけ」

 現在の加藤の姿勢は、執行部の軍門に下ったのではなく、前々から考えていた案を執行部に提案したところ、受け入れられた上に慰留されたから残っただけというものだ。

 ここまで加藤が強気なのは、やはり多くのレギュラー番組を抱えているからにほかならない。「仮に吉本を辞めたとしても、全レギュラーから降ろさせることはできないと踏んでいる。今は事務所からの圧力に、テレビ局も敏感な時代だから。またテレビ以外で仕事もできる。ハッキリ言って相当な蓄えもあり、干されたとしてもそんなに困らない」(同)。こういう理由があるため、加藤は吉本を辞めること、辞めさせられること、また干されることを全く怖がっていないというのだ。

 ちなみに加藤の乱を起こすにあたって、相方の山本圭壱には全く連絡していなかった。山本は女性スキャンダルで吉本を契約解除となり、加藤らが10年間、復帰運動した結果、2016年に再契約。「執行部批判の後に相方の山本に電話して『お前を復帰させるために10年頑張ったけど、戻ってすぐに俺がいなくなるのは面白い。だから吉本に残れよ』と伝えていた」(同)

 多くの人が思っている以上に、加藤は余裕しゃくしゃくだ。