【人生を変えることば選び】会社の売り上げを倍にした!ふた言あいさつ

2020年05月28日 10時00分

最近は直接あいさつする機会も減っているが…(写真はイメージ)

【ほめ達・松本秀男 人生を変えることば選び】今回は、「社内で『ほめるあいさつ』を始めたら売り上げが倍になってしまった!」という奇跡の鉄鋼所のご紹介です。

 宮崎県で鉄鋼製品を作る企業になります。先代社長が創業して30年余り。これまでは製品の不具合で出張修理などにコストがかかり、赤字が続いていました。そんな中、先代が急逝し、息子さんが経営を引き継ぎます。

 社員30人余りの“ザ・中小企業”。昔かたぎの職人気質な方も多く、息子さんの経営改革は簡単ではありませんでした。そこで取り入れたのが「ほめ達」です。

 まずは経営を引き継いだ2代目や幹部発信で、「ほめるあいさつ」からスタートしたのです。

 いつもお伝えしているように、ほめるといっても美辞麗句を並べることではありません。それはとてもシンプルな「ふた言あいさつ」です。「おはようございます」を、ひと言で終わらせずに、もうひと言プラスします。

 例えば「おはよう! 今朝は蒸し暑いねえ」「おはようございます。昨日のサッカー見ました? すごかったですねえ!」「おはよう。今朝も元気そうだね」。

 ひと言だけのあいさつだと、パソコンを打ちながらなど漫然と行いがちですが、ふた言にすると、必ず相手を見るようになります。たったひと言付け足すだけでも、「あなたのことを大切にしている」という気持ちが伝わります。さらには1文字だけでもオッケーですよ。

「あ、おはよう!」

「お、おはよ!」

 言われた側は、「ああ、この職場は、自分の居場所だなあ」と、朝から元気になれてしまいます。この会社、「ふた言あいさつ」から始まり、なんとわずか2年で、売り上げが倍になってしまいました(5億円が10億円に!)。さらに悩みのタネだった離職率が下がり、従業員数を変えずに残業ゼロ、そして労災事故もゼロと経営者にとっては何ともうれしい結果になりました。

 協力する→全員が集中しているためヒューマンエラーもなくなる→製品の不具合も減る→納期が早まる→残業が減る→ボーナスが増える→早く帰れて家庭も円満にという好循環が生まれたのです。その始まりはお伝えしているように「ふた言あいさつ」です。

 コロナ禍を受け、オンライン上のやりとりも続きますが、これからは会社に行って同僚や部下と直接やりとりを行う時間も増えそうです。久々に会う時だからこそ、「君をしっかり見ているよ」の意味を込めて、ふた言あいさつから始めてみませんか。きっと笑顔が返ってくるはずです。

☆まつもと・ひでお=1961年東京都生まれ。国学院大学文学部卒業後、さだまさし氏の制作担当マネジャー、ガソリンスタンド経営を経て、45歳で外資の損害保険会社に入社。トップ営業マンとなり数々の実績を作る。現在は一般社団法人・日本ほめる達人協会専務理事を務め、企業セミナーなど多方面で活躍中。著書に「できる大人のことばの選び方」や「できる大人は『ひと言』加える」など。