終息の兆しが見えない新型コロナウイルスによって、アイドルビジネスも変革を迫られている。特に昨今、主流だった握手会は廃止されるかもしれない。

「昔から、演歌歌手が新曲発売でファンに“手売り”などをしていましたが、握手会を本格的なビジネスにしたのはAKBでしょう。新曲発売の際に握手券を付け、推しメンをトップにすることはファンの大きな購入動機となりました。今ではメジャーからアンダーグラウンドまで、ほとんどのアイドルが大なり小なりこの仕組みを利用しています」とは芸能関係者。

 ところが、今回のコロナ禍により「接触」は感染の大きな原因になることが明らかになった。アイドルファンのように何枚もCDを買い、何度も握手を行えば「濃厚接触者」になることは確実だ。

「気温が高くなればコロナが終息するのではないかという楽観論もありますが、暑いブラジルでも感染者1万人、死者は400人を超えているように専門家は懐疑的です。少なくとも年内は、この手の接触イベントは中止せざるを得ないでしょう」(前同)

 場合によっては、握手会が廃止される可能性もある。

 とはいえ、アイドル側も手をこまねいてばかりもいられない。ネットを活用した、握手会に代わるイベントが模索されているのだ。

 新曲「ポップミュージック/好きって言ってよ」を1日にリリースしたばかりのアイドルグループ「Juice=Juice」は、ユーチューブで何と“無観客サイン会”を実施。新曲を購入したファンに対して、メンバーがサインするところを生配信したのだ。「少しでもファンの方に喜んでもらおうという試みです」とは事務所関係者。実際に会うことはできないが、オンラインなら多少なりともファンとの距離感は縮まるに違いない。ファンが推しメンとじかに触れ合うことができるのはいつになるのだろうか。