起爆剤は“アナ雪女優”か――。薬物事件の影響で女優沢尻エリカ被告(33)が降板したNHK大河ドラマ「麒麟がくる」が19日、いよいよ始まる。だが、一連の騒動で撮り直しと放送開始の延期を余儀なくされただけでなく、前年の「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」が同ドラマで歴代最低視聴率を記録してしまっただけに、NHKとしてはもう失敗を繰り返したくない。そこで視聴率アップの秘策として、女優松たか子(42)のサプライズ起用が浮上しているという。

 沢尻被告は昨年11月、合成麻薬MDMAを所持していたとして麻薬取締法違反の容疑で警視庁に逮捕された。翌12月に保釈。現在は都内の病院で薬物治療をしているとされ、今月31日の初公判を待つ身である。

 一連の騒動により、明智光秀(俳優長谷川博己)を描く「麒麟――」で、織田信長の正妻という第2のヒロインともいえる帰蝶役を降板。NHKは、女優川口春奈(24)を代役に抜てきしての撮り直しを余儀なくされ、大混乱に陥った。再撮の費用は3億円以上に上るとされる。放送開始も当初の今月5日→19日と2週間も延期された。

 当の川口は時代劇の経験がないため独特の所作やセリフまわしなど一から演技指導を受けたが、「致し方ないのですが、現場でかなり浮いてしまっているそうです」(ドラマ制作スタッフ)。

 やはり演技は沢尻被告と比べて見劣りしてしまうそうで、「信長の正妻役ということもあって気品があるだけでなく強さも必要なのですが、沢尻と違って川口ではそうした強い女性像を出すことができず、かなり心配の声が上がっていると聞きます」(テレビ関係者)。

 私生活にもイチャモンがついたという。

 川口は、昨年12月29日にさいたまスーパーアリーナで開催された格闘技団体ベラトールの大会にお忍びで来場。交際相手でRIZINのお祭り男こと矢地祐介(29)の応援に駆けつけたが、「川口がカメラで映されると、会場は騒然となりました。大河がスタートする前の大事な時期に、危険なイメージがある格闘技の試合会場に足を運んだことは、ドラマにとってマイナスイメージにつながりかねないのではないか…と、NHK局内では心配の声が上がっている」(芸能プロ関係者)

 また、前年の「いだてん」の二の舞いも危惧されている。同作は全47話の平均視聴率が8・2%とドンズべリ。1桁は大河史上初で、もちろん歴代でもワーストを更新した。

 今年の「麒麟――」は放送開始前から不吉な予感が漂いまくっているが、NHKとしてもこれ以上の失敗は許されない。そのため急きょ新しい役を作り、視聴率アップの起爆剤として大物女優を電撃出演させるのでは――と言われ始めた。松のサプライズ起用だ。

「役どころは未定ですが、松など過去に大河に出演した大物女優を視聴率対策で担ぎ出すのではないか、とささやかれ出しました。松は大河ドラマ『秀吉』(1996年)で秀吉の側室となる茶々役を演じて高い評価を得ており、今回白羽の矢が立つのではないかと言われています。『秀吉』は松の熱演もあってか、平均視聴率30・5%の高視聴率を叩き出しましたからね」(前出ドラマ制作スタッフ)

 沢尻被告があけた配役の“穴”と、川口でカバーしきれない演技の“アナ”。それを、ヒット中のディズニー映画「アナと雪の女王2」でエルサ役の声優を務める松が埋める――どころか、大いに話題になって視聴率のアップも期待できる。

「『麒麟――』はスタート前から受難続きだけど、前作からどこまで視聴率を挽回できるのか、注目が集まっています。ドラマスタート後、沢尻が出ていれば…と言った論調が高まらないためにも初回から高視聴率を取らなければと、スタッフの士気は高まっています」(前同)

 今年の大河には、がぜん注目が集まりそうだ。(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)