アイドルグループ「SKE48」の青海ひな乃(21)が、チームSの新公演「愛を君に、愛を僕に」で熱いパフォーマンスを披露している。公演表題曲「愛を君に、愛を僕に」では野村実代(19)と共にダブルセンターを務め、中心メンバーとしてチームを引っ張っているだけに「たくさんの方にこの公演を見てもらいたいです」と燃えている。

 5月28日からスタートした同公演は、小室哲哉氏がプロデュースを手掛けたことでも話題となった。TKサウンドとSKEのダンスが融合したステージは初日から話題を呼び、観覧応募数はそれまでの数倍にアップ。「(振り付けの)牧野アンナ先生やCRE8BOYさんの愛のある指導のおかげで私もメンバーも歌やダンス、表現力などアイドルとしての力を成長させていただきました」と自信にもつながった。

 SKEでは約11年ぶりとなる新公演で感じたのが、制作スタッフとの一体感だった。青海がユニット曲で着用する衣装が完成したのは初日当日。前日のゲネプロ(最終リハーサル)でステージ上でライトに当たっている状態をチェックした衣装スタッフが「照明にあたった際に、もっとキラキラして見えるようにしたい」と直前まで衣装にラメを付ける作業を行ってくれた。

「舞台監督さん、照明さん、音響さん、衣装さんをはじめ全てのスタッフの方々が幕が上がるギリギリまで〝いい公演にしよう〟と頑張ってくださいました。皆さんが一緒に戦ってくれる。新公演を作るというのはこういうことなんだと知ることができたし、本当にありがたかったです」と改めて感謝の気持ちが強くなった。

 家族と関係者を招いて行われた新公演のゲネプロでは、うれしいことがあった。「初めて父が劇場に見に来てくれたんです」。青海の父親は4年前、脳梗塞で倒れ、現在も右半身を動かすことが困難な状況にある。母と兄に付き添われてSKE48劇場を訪れた父親は、上手前方の席からセンターポジションで歌って踊る娘の姿を見て何度も涙を流したという。「2曲目の『ライブマスター』ではステージの上手まで行くので(父親に)めっちゃレス(視線)を送りました。目が合った時はちょっと気まずそうでした(笑い)」。

 父親が倒れた当時、高校3年生だった青海は「SKEに入って歌って踊る姿を見たら、お父さんも喜ぶんじゃないか」という兄の言葉に背中を押されてアイドルになった。それだけに「劇場は私たちのホーム。そこで新しい公演を見て喜んでもらえた。(父は)〝いい、いい〟って感想を言ってくれたんです。親孝行ができました」と恩返しができたことに感無量となった。

「父は自分でパソコンを操作して新公演のアーカイブ配信も見てくれています。朝起きたら聞こえてくるし、帰ってきても聞こえてきます」。父の部屋から「愛を君に、愛を僕に」公演の曲が聞こえてくるたびに、自分の中で新たな力が沸き起こってくるのを感じている。

 新公演が始まってから青海にはさらに思いを強くしたことがある。「父に喜んでもらおうとSKEに入ったけど、いつの間にかファンの人のためにも頑張りたいと思うようになったし、公演を一緒に作ってくださるスタッフの方たちにも恩返しがしたい。だから、この公演をきっかけに、多くの方々にSKEを好きになってもらいたいです。私たちがSKE48の新たな入り口になります!」